米、アフガン資金支援削減 和平合意履行へ圧力

2020/3/24 10:56
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【ワシントン=中村亮】米国務省は23日、2020年に予定したアフガニスタン向けの資金支援を10億ドル(1100億円)削減すると発表した。2月末にまとめたアフガン和平合意の履行が大統領選の結果をめぐるアフガンの政局混乱で停滞しており、同国経済などに打撃となる強硬策を講じ履行を促す狙いがある。一方でポンペオ国務長官は同日、反政府武装勢力タリバンの幹部と面会し、和平合意の履行を確認したもようだ。

ポンペオ米国務長官は23日、アフガニスタンを予告せずに電撃訪問した。ガニ大統領に加え、独自の政権を樹立してガニ氏と対立するアブドラ氏とそれぞれ面会した。ポンペオ氏は両氏が協力してタリバンとの対話に向けた体制を整えるべきだなどと主張したが、仲裁は不調に終わった。

ポンペオ氏は声明で「米国は2人の行動がアフガンや両国の国益に及ぼす影響に関して失望した」と強く批判した。21年も資金支援を10億ドル減らす用意があると指摘し、国際社会からのアフガン支援についても見直す可能性に触れた。アフガンは経済や安全保障に使う資金の多くを国際社会の拠出でまかなっており、米国などの支援削減は打撃になる。

ポンペオ氏は23日、アフガンに続いてカタールの首都ドーハも訪れてタリバン幹部と会談した。2001年の米同時多発テロ後に国務長官がタリバン幹部と個別会談するのは初めてとみられる。会談後に記者団に対し「タリバンは暴力削減の約束をおおむね守っている」と指摘した。アフガン政府との対話にも前向きだとの認識も示し、和平合意の履行が進まないのはアフガン政府の責任だとの考えを明確にした。

米国は2月末にタリバンと和平合意を結び、18年以上に及ぶアフガン戦争の終息に一歩を踏み出した。だが3月10日に予定したアフガン政府とタリバンの対話は見送りとなり、日程の再調整も進んでいないもようだ。ガニ氏がタリバン兵の解放に慎重姿勢を示したほか、ガニ氏とアブドラ氏が権力闘争を繰り広げていることが主因とみられ、米国がいらだちを強めていた。

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