トヨタとNTTが資本提携、スマートシティーで連携

2020/3/24 10:00 (2020/3/24 16:14更新)
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米ラスベガスで講演する豊田章男社長(1月)=ロイター

米ラスベガスで講演する豊田章男社長(1月)=ロイター

トヨタ自動車NTTは24日、資本・業務提携すると発表した。通信を活用した自動運転技術などを共同で開発する。出資額は相互に2千億円規模となる。トヨタが2021年に静岡県の工場跡地を活用して建設する「スマートシティー」でも両社の技術を持ち寄る。トヨタは外部企業の知見を活用することで次世代の技術開発を加速させる(詳報「トヨタとNTTが提携、スマート都市基盤を共同開発」参照)。

トヨタはNTTと相互出資することにより、次世代通信規格「5G」を使った次世代車開発などを推進する。

自動車産業はつながる車(コネクテッドカー)、自動運転、シェアリング(相乗り)、電動化の英語の頭文字をとった「CASE」と呼ばれる新技術領域の開発競争が活発になっている。特につながる車や自動運転の分野では車単体の性能向上だけでなく、車の外から情報を集める通信技術を活用することが求められている。

トヨタとNTTは17年にコネクテッドカー向けの共同研究開発をすると発表し、18年12月から実証実験を進めてきた関係にある。走行データや車両周辺の動画像といった、コネクテッドカーで得られる膨大な疑似データをシミュレーターで作成。センターに集めて分析する基盤技術の確立を目指している。

今回の相互出資で次世代車の開発に加えて協業の柱となるのが、トヨタが21年から静岡県裾野市でつくり始める実証都市「ウーブン・シティ」向けの取り組みとみられる。「コネクテッド・シティー」と位置付け、2020年末に閉鎖予定のトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地に新技術を詰め込み自動運転車などが行き来する未来都市をつくる構想だ。

トヨタが商用向けに開発を進めている自動運転の電気自動車(EV)「イーパレット」などを走らせる。居住者は車のほか、室内用ロボットなどの様々な新技術を検証する。MaaS(マース、次世代移動サービス)や人工知能(AI)の開発も促進する。いずれも高速通信技術は不可欠な分野で、NTTなどとの提携を生かす。

一方、NTTはデータを使い、都市生活の質を高める「スマートシティー」構想をグループの成長戦略の柱の一つとして進めている。米ではラスベガス市と組み、監視カメラや音響センサーを組み合わせて通行車両や通行人の状況を検知するシステムを開発。交通事故の減少などに効果を発揮している。

国内では札幌市や千葉市などと進めている。札幌市では購買履歴と位置情報を掛け合わせて観光業に生かす。千葉市とは自動運転の実証などを進めている。

NTTがスマートシティー構想を推進するのは、伸び悩む通信事業に変わる収益源としての期待が大きいからだ。スマートシティーでは各種センサーを連携させるため、5GなどNTTグループが保有する技術を生かしつつ、グループの収益を高められる利点がある。

トヨタは18年にソフトバンクグループと大規模な事業提携し、共同で移動サービス会社を設立している。既存の市販車向けではKDDIとも通信分野で技術連携している。今回、NTTと資本提携に踏み込むことで、トヨタは国内通信大手すべてと提携関係を結ぶことになる。

英文の記事をNikkei Asian Reviewに掲載しています。(https://s.nikkei.com/2QFk4sM)

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