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ソフトバンクG「守りの財務」へ転換 新規投資を抑制

ネット・IT
2020/3/23 23:08
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ソフトバンクグループは23日、保有資産を最大4兆5000億円売却すると発表した。調達した資金は最大2兆円の自社株買いのほか負債の削減に使う。新型コロナウイルスの感染拡大で市場が混乱し、保有株の値下がりや債務の水準に対し、投資家の目が厳しくなっている。「守りの財務」に転換して新規投資を抑制し、株主還元や財務改善を優先する。

「ソフトバンク上場時との資金の使い道の違いがメッセージだ」。ソフトバンクGの幹部は、大規模な資産売却の狙いをこう説明する。

18年の国内通信子会社の上場では、調達した2兆円の資金のうち、ほぼ3分の1ずつを投資と負債削減、株主還元に振り向けた。今回は投資には使わない。

米シェアオフィス大手ウィーカンパニーは新型コロナウイルスの影響で一部オフィスの閉鎖を迫られている。北京字節跳動科技(バイトダンス)など出資先の上場時期も見えにくい。孫正義会長兼社長は負債やファンドを活用して投資先を広げてきたが、当面は新規投資を抑制する。

資産売却は今後4四半期にわたって実施する。売却対象は明らかにしていないが、中国・アリババ集団や国内通信子会社ソフトバンクなど流動性の高い上場株が主な対象とみられる。4兆5000億円は保有株27兆円の2割弱に相当する。23日の香港市場ではアリババ株が7%安となった。

資金はまず自社株買いに投じる。自社株買いは13日発表した上限5000億円の買い入れと合わせて2兆5000億円となる。発行済み株式数の45%を取得し消却する。ソフトバンクGの時価総額は19日時点で6兆円と保有株に比べて小さく、割安と判断した。

今回の取り組みでは、社債買い入れを含む負債削減も組み合わせた。13日に自社株買いを発表した際は、米格付け会社のS&Pグローバル・レーティングが格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に見直した。株安で資産が目減りする中で資金を自社株買いに使えば、債務返済力が下がるためだ。

信用リスクをやりとりするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)では保証料率が約5%に急上昇していた。100円の社債を第三者に保証してもらうのに5円必要なことを意味する。

23日の株式市場ではソフトバンクG株が前週末比500円(19%)高の3187円と、制限値幅の上限(ストップ高水準)で取引を終えた。3月に入り、株価は5割近く下落していた。

市場には「資産売却によって資金を捻出できることを示し、債務への不安も和らいだ」(楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジスト)との見方があった。

ソフトバンクGへの投資家の圧力は、株式、社債市場の両面で高まっていた。2月には米エリオット・マネジメントが最大2兆円規模の自社株買いを求めた。英フィナンシャル・タイムズによると、米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントが社債の大規模な空売りに動いた。

株価が右肩上がりで上昇し、社債市場にも資金が流れ込む環境は新型コロナウイルスで一変した。投資会社に転じたソフトバンクGには逆風が吹き、守りが問われる局面になっている。

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