せかい旬景 NEWニューヨーク(アメリカ)

コラム(国際)
2020/3/27 22:00
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ベッセルの最上階からハドソン川などを眺める人たち(2月下旬)

ベッセルの最上階からハドソン川などを眺める人たち(2月下旬)

米ニューヨークで、最後の大型再開発とされる「ハドソンヤード」地区。ランドマークになっているパブリックアート「ベッセル」と呼ばれる展望台に登ると、西側にハドソン川が見渡せる。2月下旬、ここから南に約2kmほど下ったミートパッキング地区までをつなぐ空中遊歩道「ハイライン」を歩いた。

かつての貨物鉄道の線路が残り、植物が育つ

かつての貨物鉄道の線路が残り、植物が育つ

ハイラインはビルの3階の高さを走る。市内の倉庫や工場に物資を運ぶ貨物鉄道の高架部分の廃線跡。1999年に解体の危機が訪れた時、近隣住民から保存運動が起こり2002年、当時のブルームバーグ市長らが公園化へ取り組みはじた。工事は14年に完了した。ハイラインには毎年変わるアートが展示される。早朝にはランニングする人、日中は野外マーケット、コンサートなど様々なイベントが催され、夏の夜にはサルサダンスのパーティーもおこなわれている。

ハイラインに展示されているアート。歩きながらさまざまな作品を見ることができる

ハイラインに展示されているアート。歩きながらさまざまな作品を見ることができる

ニューヨークは今、かつてのウォール街を中心とする「金融の街」から、ハイライン周辺に広がる「テックの街」へとイメージを変えようとしている。GAFAなど巨大ハイテク企業が相次いでニューヨークにオフィスを開設し、オフィス賃料は昨年過去最高を記録した。

デジタル通貨「リブラ」の発行を予定しているフェイスブックは昨年11月、ハドソンヤードの高層ビル3棟にまたがって、延べ床面積で東京ドーム約3個分、約14万平方メートルのオフィス契約を結び、今年から稼働する。

ところどころに休めるスペースがあり、コンサートなども開かれる

ところどころに休めるスペースがあり、コンサートなども開かれる

オフィスの他、住宅、ショッピングモール、公共施設など、ハドソンヤードには最先端のオシャレな空間が次々と生まれている。ハイラインに沿うエリアでも、高級マンションなどの開発が進む。

ハイライン周辺では高級マンションなどの建設が進む

ハイライン周辺では高級マンションなどの建設が進む

フィンテックで金融業が変化する中、ニューヨークに集まる企業の狙いは、優秀なハイテク人材の獲得だ。シリコンバレーでの給与や家賃の高騰も影響している。

レンガ造りのグーグルニューヨークオフィスビル。手前のチェルシーマーケットのビルにもオフィスがある

レンガ造りのグーグルニューヨークオフィスビル。手前のチェルシーマーケットのビルにもオフィスがある

ハドソンヤードからハイラインを南に下ったチェルシー地区には、グーグルのオフィスやアップルストア、スターバックスコーヒーの旗艦店などが集まる。アップルストアの外観は日本でおなじみのガラス張りや銀色の壁に白の巨大なリンゴのマークではなく、古いビルをリフォームしたものだ。小さな黒いロゴプレートはあったが、一見して気付かないほど。グーグルのビルも古いレンガ造りの外観を保っている。

古いビルをリフォームしたアップルストア

古いビルをリフォームしたアップルストア

工事中のファーレービル(右)のフェンスに掲げられた「THE NEW NEW YORK]の文字

工事中のファーレービル(右)のフェンスに掲げられた「THE NEW NEW YORK]の文字

地元紙などが伝えるところによると、フェイスブックはハドソンヤードの東、マディソンスクエアガーデンの向かいにある「ファーレービル」にも大規模なオフィスを構える計画で交渉を進めている。地下鉄やアムトラックの駅があるペンシルベニア駅とも地下でつながる。工事が完了すれば、かつて郵便局だった歴史的建造物の外観を保ったまま、最新鋭のITオフィスビルに生まれ変わる。工事中のフェンスに掲げられたシートには、「我々は新しいニューヨークを建設している」と書かれていた。

(写真映像部 小園雅之)

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