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日銀のETF買い、量的緩和再開のFRBも倣うか

2020/3/23 14:27 (2020/3/23 15:58更新)
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米ニューヨーク(NY)州で新型コロナウイルスの感染者が前週末に1万人を突破した。州内の病院収容能力の2倍を超えるとして同州知事が、州内全従業員を対象に原則自宅待機を命令。カリフォルニア州でも、全住民対象に原則外出禁止を命令した。トランプ米大統領も新型コロナ関連の定例記者会見で、この強硬措置を支持した。

さらに、日本側からは米国への渡航自粛勧告、米国からの入国者(含む日本人)に原則14日間の待機要請が相次いで示された。

そして、安倍首相もついに、東京五輪の延期を含む見直しの可能性に言及した。

日本時間23日早朝のシカゴ市場の日経平均先物は一時1万5060円まで急落。風雲急を告げるかと思われたが、蓋を開けてみれば日経平均株価は上昇している。他のアジア株全面安との差が鮮明だ。ダウ平均の時間外取引も800ドル超安となっている。

ニューヨークのヘッジファンドからは「なぜだ。やはり2頭の鯨か」との問い合わせが相次いでいる。日銀と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本株を買い支える「官製相場」現象は、今やNY市場でも知られるところだ。

特に、19日には日銀が過去最大となる2016億円の上場投資信託(ETF)買いを実施したことも伝わり、ヘッジファンドに対しては空売りに対する一定の抑止効果を与えている。

この日銀ETF買いがNY市場で最近特に注目されているのは、量的緩和を再開した米連邦準備理事会(FRB)が買い取り対象を拡大させているからだ。すでに、地方債の購入を発表している。バーナンキ元FRB議長とイエレン前FRB議長は連名で「FRBは社債も購入せよ」との意見記事を発表している。ボストン地区連銀のローゼングレン総裁も一般論として、買い取り対象の拡大を論じた。

ウォール街では、次は「株の購入か」との臆測が絶えない。ただし、FRBが社債や株を購入するためには連邦準備法13条の改正が必要となる。

これまでは、中央銀行による株式市場への介入は「自由市場での価格形成をゆがめる」と批判的な意見が多かった。しかし、コロナショックによる株価下落に歯止めがかからず「有事対応として今回はやむなし」との意見も増えている。

このような背景があるなかで、きょうの日経平均は日銀ETF買いの直接的効果、あるいは抑止的な間接的効果の影響もあり334円急騰して引けた。米国での議論もさらに熱を帯びそうだ。とはいえ、世界的株安連鎖が続くなかで、日本株だけが唯一下げ渋るという現象も異常な光景と言わざるを得ない。コロナショック後、日本株が「官製相場」のレッテルを貼られ、一般外国人投資家からは敬遠される理由にもなりかねない。

欧米市場で、日銀とヘッジファンドの危ういせめぎ合いが注目される状況は続きそうだ。

豊島逸夫(としま・いつお)

 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com

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