米の新型コロナ感染者3万人超に 外出制限の州も続出

【ニューヨーク=大島有美子】新型コロナウイルスの感染者数が22日、米国で3万人を超えた。このうちニューヨーク州が約1万5800人と半数を占める。ニューヨーク州は22日から事業者に完全在宅勤務を義務づけるほか、フロリダ州やネバダ州でも週末にかけて飲食店の営業休止を指示した。感染拡大で医療提供体制が崩壊するのを防ぐため、移動制限をかける動きが広がっている。
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米ジョンズ・ホプキンス大学によると、米東部時間22日午後6時半(日本時間23日午前7時半)時点の全米のコロナ感染者数は3万3073人となった。州別では、ニュージャージー州(1900人)、ワシントン州(1800人)、カリフォルニア州(1600人)がニューヨーク州に続く。
ニューヨーク州のクオモ知事は「どこよりも多く検査をしている」と強調した。すでに6万1千人が検査を終えたという。ただ、検査の拡大とともに判明した感染者の数も急増。重症患者を受け入れる集中治療室(ICU)のベッド数が足りず、病院に緊急でない手術を控えるよう要請した。
ニューヨーク州の中核であるニューヨーク市の感染者数は9千人となった。クオモ知事は「公園にいまだに人が集まっているのが問題だ。今は非常時だ」と述べ、24時間以内に公園の運営を見直すよう市に求めた。

ニューヨーク州では22日午後8時から、生活に不可欠な業種以外の企業にすべての従業員の在宅勤務を義務づける。住民は不要不急の外出を控えるよう求められる。
ニューヨーク市のマンハッタンの中心街では百貨店や衣料品店などがすでに店を閉じているほか、家電量販店もネット注文の受け取りに絞るなど営業を制限している。地元のスーパーでは生活必需品を買い求める住民が外で間隔をあけながら列をつくり、非常事態に備えた。
全米では同様の措置をとる州が相次いでいる。ニュージャージー州やイリノイ州は、21日から住民に生活に不可欠な買い物など以外の外出を禁じる命令を出した。フロリダ州は飲食店の営業停止を命じ、ネバダ州は映画館やジムなどを休止するよう指示した。


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