米、2兆ドル景気対策に民主異論 新型コロナ対応遅れも

2020/3/23 2:38 (2020/3/23 2:52更新)
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米野党・民主のペロシ下院議長は独自の法案を提出する方針を明らかにした=ロイター

米野党・民主のペロシ下院議長は独自の法案を提出する方針を明らかにした=ロイター

【ワシントン=河浪武史】米政権と連邦議会が検討中の2兆ドル(約220兆円)の巨額経済対策を巡り、与野党の協議が遅れる可能性が早くも出てきた。民主党のペロシ下院議長は22日に「与野党には隔たりがあり、独自法案を提出するつもりだ」と述べた。トランプ政権は上下両院に23日の採決を求めてきたが、経済対策の成立が遅れれば、手元資金が薄くなる企業や家計の不安が一段と強まりかねない。

トランプ政権と共和党指導部は21日、中小企業への資金支援や家計への現金給付を盛り込んだ2兆ドル規模の経済対策をとりまとめ、野党・民主党と詰めの協議に入っていた。ムニューシン財務長官は22日、共和党のマコネル上院院内総務ら与野党指導部と協議したが、ペロシ氏はその後に「与野党には隔たりがあり、合意に至っていない」と記者団に表明した。

トランプ政権と議会共和党は、航空会社や宿泊業などの支援に2000億ドルを充てる予定だ。民主党側は「企業救済ではなく労働者の支援を優先すべきだ」(上院トップのシューマー院内総務)と主張し、詰めの制度設計が難航している。

マコネル氏は23日に上院で強行採決すると示唆するものの、下院は民主が多数派で現行案では経済対策が成立しない可能性がある。シューマー氏はトランプ政権の2兆ドルという経済対策の規模については「妥当」との見方を示している。

米経済は外出規制などの広がりで、4~6月期の成長率が2桁のマイナスに転落するとの観測が強まっている。飲食店などは営業休止によって売上高が激減し、従業員も解雇や一時帰休を余儀なくされる。企業や家計の資金ショートを防ぐ経済対策が急務で、関連法案の成立が遅れれば景気のV字回復は難しくなる。

米国では2008年の金融危機時にも、ブッシュ政権(当時)が求める民間金融機関への公的資金注入を議会が一度否決し、銀行間の取引金利が急上昇して世界的に金融システムがマヒしたことがある。

今回も08年時と同様に11月に大統領選と連邦議会選を控えており、経済対策そのものが政治の駆け引きに使われかねない。議会が混迷すれば、新型コロナによる景気と市場の混乱がさらに深まりかねず、議会の早期審議が極めて重要だ。

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