英中銀が緊急利下げ、過去最低0.1%に 資産購入も再開

2020/3/19 23:49 (2020/3/20 4:13更新)
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英金融街シティーのイングランド銀行本店=ロイター

英金融街シティーのイングランド銀行本店=ロイター

【ロンドン=篠崎健太】英イングランド銀行(中央銀行)は19日、政策金利を0.15%引き下げて過去最低の年0.10%にすると発表した。国債や社債などの買い入れを再開し、購入枠を2000億ポンド(約25兆6000億円)増やして総額6450億ポンドとする。新型コロナウイルスで金融市場が動揺するなか、米欧の中銀と足並みをそろえて資金供給を強め、経済の下支えに全力をあげる。

臨時の金融政策委員会を同日開き、政策委員9人が一致して決めた。11日にも臨時で0.50%の利下げを発表しており、1週間あまりの間に2度、合計で0.65%の緊急利下げという異例の対応になった。同じ月に2回の利下げは、現行の金融政策運営の枠組みになってから初めてだ。

ベイリー総裁は電話で記者会見し、市場で現金やドルを確保する動きが広がったことで「この数日間に金融環境がかなり急激に逼迫した」と語った。「この状況では経済指標を待っていられない」と述べ、新型コロナの感染拡大による市場の混乱ぶりをみて判断を急いだと明らかにした。

量的緩和策の拡大は約3年半ぶりとなる。イングランド銀は米リーマン・ショック後の2009年に、国債などを買い入れる資金供給に乗り出した。直近では欧州連合(EU)離脱が選ばれた英国民投票後の16年8月に枠を拡大し、その際に設けた社債枠の100億ポンドとあわせて4450億ポンドの残高を保ってきた。

今回、国債と社債の購入枠を一本化したうえで上限を2000億ポンド引き上げることにした。新型コロナで企業の資金繰り不安が強まっており、柔軟に社債を買い入れしやすくするねらいがある。20日に国債の購入を開始し、初日は51億ポンドの買い入れオペ(公開市場操作)を実施する予定だ。

ベイリー氏は資産購入をめぐり「迅速に前のめりで実施する」と強調した。スケジュールは決まっていないが、市場の動きをにらみながら果断に買い入れを進める。

政策金利は今回、イングランド銀が設立された1694年以降の最低を塗り替えた。カーニー前総裁はかねて下限は0.1%だと説明してきた。ベイリー氏も会見で、銀行の仲介機能への副作用を挙げて「マイナス金利は支持しない」と述べた。今後は資産の購入による資金供給という、量的緩和の拡大が政策手段になっていく。

ベイリー氏は16日に前任のカーニー氏から金融政策のかじ取りを引き継いだばかり。就任4日目にして緊急利下げという、波乱の船出になった。次の定例の金融政策委員会は25日にかけて開かれ、政策発表は26日を予定している。

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