雇用・資金繰り重点 政府、緊急経済対策へヒアリング

2020/3/19 21:51
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緊急経済対策の策定に向けた集中ヒアリングの冒頭、あいさつする安倍首相(19日、首相官邸)

緊急経済対策の策定に向けた集中ヒアリングの冒頭、あいさつする安倍首相(19日、首相官邸)

政府は19日、新型コロナウイルス感染症の経済への影響について企業や個人からの集中ヒアリングを始めた。現場の実態を把握し、新たな緊急経済対策に反映する。実体経済の底割れを防ぐため、雇用を守る施策や資金繰り対策の拡充などに焦点があたる。観光関連産業や中小・零細企業、フリーランスなど打撃の深刻な層を中心に支援策が求められそうだ。

安倍晋三首相はヒアリングの冒頭で「何としても雇用は守りぬかなければならない。個人、あるいは中小・小規模事業者が事業を継続できる状況をつくっていく」と語った。そのうえで「実際のニーズはどこにあるんだということを把握をしながら政策をただちにつくり上げていきたい」と強調した。

政府はこれまでに個人向けで税金や社会保険料、公共料金の支払い猶予、20万円以内の小口貸し付けなどの対策を打ち出している。金融機関からの融資額の80~100%を信用保証協会が保証する制度も拡充した。ただ感染者の増加が続くなか、大規模イベントの自粛や政府による一斉休校の要請などで、企業活動の停滞は長引きつつある。

4月にもまとめる緊急経済対策では国内観光を促進するための旅行費の割引、キャッシュレス決済のポイント還元制度の拡充などが検討対象になっている。企業向けでは、資金繰り支援の大幅拡充や固定資産税の減税なども候補にあがる。

西村康稔経済財政・再生相は「前例にとらわれることなく、マクロ経済のインパクトに見合う思い切った対応を考えていきたい」と強調する。

政府内や与党からは2008年のリーマン危機後に実施したような家計への現金給付のほか、消費減税を求める声が出ている。麻生太郎財務相は19日の閣議後の記者会見で「財政出動は赤字公債の拡大につながりかねない。慎重にしなければならない」と述べ、野放図なバラマキは避ける考えを示した。緊急経済対策といえども、政策の効果や優先順位は経済の実態を見極めつつ丁寧に検討していく必要がある。

集中ヒアリングは麻生財務相ら関係閣僚のほか、自民・公明両党の幹部も参加し、来週にかけて延べ7日間で計60人前後を対象に実施する。初回の19日は主に個人事業主や就職活動中の学生ら10人の声を聞いた。収入の大幅な減少や情報不足による不安の訴えが相次いだ。タクシー運転手の男性は児童手当の上乗せや前倒し支給を求めた。

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