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開幕延期のプロ野球 一致団結で苦境乗り切れ

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月20日の予定だったプロ野球開幕が遅れている。関係者は4月10日以降の開幕を目指して努力しているが、現状は先行き不透明で予断を許さない。憂いなく野球に打ち込める平穏な日常の幸せを改めて感じている。

プロ野球の日程再編について協議した12球団代表者会議(12日)=共同

現役時代の2011年、東日本大震災の影響で開幕延期を経験した。当時の私はテレビで被災者の様子を見るたびに「これは野球どころじゃない」と思った。状況は違うが、今回も似たものを感じる。先日訪れた夕方の名古屋駅は無人駅かと思うほどガラガラだった。ホテルに行っても閑古鳥が鳴いている。

開幕延期は当然の決断として、検討すべきは日程の調整だ。今季は五輪期間中のペナントレース中断を挟むため、日本シリーズが11月中旬までずれ込む変則的な日程だ。開幕が大きく遅れた場合、日程の消化が危ぶまれるが、球界が一致団結すれば可能だろう。

球団と選手の契約期間は11月末まで。秋季キャンプやファン感謝デーを諦めれば、ペナントレースを引っ張れる。日本シリーズが遅れた場合、本拠地にこだわらず、全試合をドーム開催にするのも一案だ。

公式戦がなくなった3月下旬から4月上旬、各チームは練習試合で調整を続ける。1週間に4試合以上できれば、実戦感覚を維持するには十分だ。選手には手洗いなどの感染予防と、健康管理の徹底をお願いしたい。海外のプロスポーツを見ても分かるとおり、せっかく開幕のメドが立っても、感染者が出れば水の泡になってしまう。

無観客で行われた巨人―ヤクルトのオープン戦(2月29日)=共同

無観客でのオープン戦を経験し、選手はファンのありがたみを改めて知ったはずだ。拍手や歓声、スタジアムの喧騒(けんそう)がどれほどプロ野球に不可欠な要素であるか。ゴム風船が禁止されるなど今季の応援風景はこれまでと違うものになるだろうが、観客がいてこそ選手の集中力は一段と高まる。ベテランは特にその傾向が強い。

ファンとの接触が制限され、普段通りのファンサービスは難しくても、インターネットを使った情報発信など知恵を絞ってファンを喜ばせることはできる。そして開幕した暁には、これまでの鬱憤を晴らすようなプレーを見せてほしい。世の中の空気が重いときこそ、スポーツは力を発揮できるのだから。

(野球解説者)

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