豪カンタス、全国際線を運航停止 国内線は6割減
【シドニー=松本史】オーストラリア航空最大手、カンタス航空は19日、新型コロナウイルスの感染拡大による需要急減を受け、3月下旬から全国際線の運航を停止すると発表した。傘下の格安航空会社(LCC)ジェットスターも含め、少なくとも5月末まで運休する。豪政府が18日、豪州人に対しすべての国への渡航禁止勧告を出したことを受けた措置だ。
国内線も6割削減する。今回の運休決定を受け、3万人いる従業員のうち約2万人に5月末まで無給も含めた休暇を取得させる。豪政府は15日、すべての入国者に入国後14日間の自主隔離を求めると発表している。実質的な出入国の制限で「過去経験したことがない」(アラン・ジョイス最高経営責任者)需要急減につながった。
航空2位のヴァージン・オーストラリアも18日、3月30日から6月14日まで国際線全便の運航を停止すると発表した。
2019年6月期通期のジェットスターを除くカンタス国際線の売上高は74億2500万豪ドル(約4600億円)で売上高全体の41%、EBIT(利払い・税引き前利益)は2億8500万豪ドルで19%を占める。
2カ月にわたり全国際線の運航を休止すれば、単純計算で年間売上高の6%、EBITの3%が失われる。ドル箱の国内線の6割削減も合わせれば経営への打撃は甚大だ。
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