日経電子版が創刊10年 2020年を「第2の創刊」に

2020/3/23 2:00
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「日本経済新聞 電子版」が23日、創刊10年を迎えました。2010年3月の創刊以来、常に新しい技術や表現方法などを取り入れ、幅広い年齢層の読者の方々にご利用いただけるようになりました。ビジネスパーソンを中心に、20代をはじめとする若年層や女性の読者も増え、有料会員数は70万人を超えています。

■必要な情報を必要な時間帯に

日経電子版は創刊以降、コンテンツと機能の両面の充実を目指してきました。紙面に先行して電子版でニュースや解説記事を配信する「デジタルファースト」の取り組みも本格化しています。ビジネスパーソンが必要とする時間帯に、必要な情報を届けられるように体制を整えています。

独自ニュースや解説記事を翌日の紙面に先駆けて夕方に配信する「イブニングスクープ」など新たな試みも定着しました。データ分析を生かした調査報道や、デジタル技術を使った分かりやすい表現も広げています。

■お金の不安に応える「マネーのまなび」

日経電子版は2020年を「第二の創刊」と位置付け、コンテンツと機能をさらに進化させていきます。その第1弾として、新セクション「マネーのまなび」を23日に開設しました。くらしから投資までおカネにまつわる幅広い、正確な金融知識を得られる場を目指します。

老後2000万円問題をきっかけに資産形成の意識が高まる中、20~30代のお金に関する不安に応えます。「投資はちょっと抵抗がある」「お金についての知識に自信がない」――。そんな悩みを解消します。ビジュアルデータや動画を交えるほか、フェイスブックやイベントなど、20~30代の同世代とお金の悩みや役立つ情報を共有できる場も充実させます。

■金融プロ向け新媒体も

政治やビジネス、スポーツや文化など各分野を代表するオピニオンリーダーたちへのインタビュー連載も23日に始まりました。それぞれの視点で、10年後の2030年の世界がどうなっているか、その将来に向けて自分は何をしたいか、夢と希望を語ってもらいます。

金融業界で働くエグゼクティブやプロフェッショナルを対象にした有料のデジタルコンテンツサービス「NIKKEI Financial」(仮称)を今秋にもリリースします。専用サイトのほかにニューズレター、金融分野の著名人を招いたセミナーなどを通じ、激動期にある金融界を深掘りします。グローバル金融やフィンテックの最前線もウオッチし、常に一歩先を読むデジタル媒体を目指します。

人工知能(AI)を活用した「パーソナライズ機能」など新機能の導入も目指しています。AIで新聞記事を話し言葉に自動変換するAIアナウンサーや決算情報を要約して自動配信する「決算サマリー」に続き、先進技術へ挑戦を続けます。

イノベーション絶え間なく


東京本社編集局長 井口哲也

「日本経済新聞 電子版」が創刊10周年を迎えました。より速く、より深く、よりわかりやすく――デジタルの強みを最大限に生かし、質の高いジャーナリズムを追求する。そんな新時代のニュースメディアへの進化をめざし、これからも大胆なイノベーションを進めていきます。

そうした改革の試みのひとつがデジタルの時代に合わせて編集局の運営を見直す「デジタルファースト」の施行です。過去2年程度をかけて進めてきたこの取り組みは、これまで紙の新聞の発行スケジュールに合わせてきた記事の出稿・編集作業を、電子版に読者が集まる朝、昼、夕のピークタイムに合わせるというものです。読者に対し、最新のニュースや解説をタイムリーに届けることが可能になります。

昨年10月にはニューヨークにある米州総局で日本の深夜から早朝にかけて起きた海外のニュースを編集する体制を始動。日本の読者が目覚めると同時に欧米の最新ニュースを読める体制を整えました。

即時性が強みの電子版と、高い一覧性で世の中の動きをじっくりと振り返ることができる紙の新聞という機能分けがより明確になります。

2つ目の改革の柱は読者に役立つ、より付加価値の高い記事を生み出していくことです。インターネット、ソーシャルメディアの発展で玉石混交の情報があふれる時代。情報の洪水ともいえる状況の中で、読者に的確な判断基準を提供できるような深い分析に基づく記事を提供すべく、取材・編集体制の見直しを進めています。

本紙コメンテーターらが執筆する「Deep Insight」、フィナンシャル・タイムズ(FT)のコラムの翻訳記事の拡充に加え、調査報道など他のメディアで読むことができない情報を発掘する取り組みにも力を入れています。

データが富の源泉になる新たな経済の光と闇を調査報道の手法で描いた「データの世紀」のシリーズは昨年の日本新聞協会賞を獲得しました。様々なデータを最新のプログラミング技術を駆使して収集・分析、経済の変化や社会が抱える問題をあぶりだすデータジャーナリズムにも挑んでいます。

例えば、昨年8月に報じた「中国版GPS網、世界最大 130カ国で米国製抜く」の記事では民間企業が持つ衛星軌道のデータを分析。中国の測位衛星「北斗」の世界におけるカバー率が本家の米国の「GPS衛星」をすでに上回っているという事実を明らかにしました。その分析結果は米中の経済・安全保障状況を検証する米国の議会報告書で引用されるなど、大きな反響を呼びました。

3つ目はビジュアル化の追求です。紙の新聞ではあくまで文章が「主」であり、写真やグラフは「従」という傾向がありましたが、デジタル技術をフルに使える電子版では動画や様々なグラフィックスなど多様な表現が可能になっています。

すでに定期的に掲載している「ビジュアルデータ」では最新のニュースの基礎知識を見やすいグラフやイラストを駆使して伝えています。今年1月に展開した大型連載「逆境の資本主義」では動画やアニメ、グラフィックスを駆使した新しい記事表現を追求しました。よりわかりやすいコンテンツづくりをめざし、こうした試みを加速します。

電子版に掲載するビジュアルコンテンツは「日経AR」というアプリなどを使って紙の新聞の読者にも見られるようにしています。紙と電子の両輪での進化をめざし、今後も様々なイノベーションを続けていきます。
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