新型コロナ感染の英クルーズ船、キューバが受け入れ
【メキシコシティ=丸山修一】船内で新型コロナウイルスの感染者が確認され、カリブ海諸国で相次ぎ受け入れを拒否されていた英クルーズ船が18日、キューバの首都ハバナ近郊に接岸した。乗員乗客は今後、ハバナ国際空港から英政府が用意したチャーター機に乗り込んで帰国する予定だ。ロイター通信などが伝えた。

南米やカリブ海を航海していた英クルーズ船「ブリーマー」は3月上旬に船内で5人の感染が確認された。感染が確認された後、バハマやバルバドスなどカリブ海諸国で相次いで受け入れを拒否され続けた。1週間以上にわたって停泊地を求めてカリブ海を航行していたところ、キューバ政府が受け入れを表明した。
クルーズ船には合計で千人以上の乗員乗客がいるという。接岸したハバナ郊外のマリエル港からハバナ国際空港に移動して、感染者や感染可能性がある症状を訴えている人を別にする形で、合計4機のチャーター機で英に向けて出発する。ただ航空機での移動が難しい場合にはキューバ国内で治療を受けるという。
新型コロナウイルスの影響で、世界各地でクルーズ船の受け入れ拒否が起きており、大きな問題になっている。キューバのロドリゲス外相は「新型コロナウイルスの予防や感染拡大のため、国際的な協力や団結を強めていきたい」と話した。
キューバでは18日に新型コロナウイルスの感染が確認されたイタリアからの旅行者が死亡した。現時点で合計10人の感染が確認されている。