ドル需給逼迫で3年ぶり高値 対円は1ドル=108円台に
【ニューヨーク=後藤達也】ドル高が加速している。18日のニューヨーク市場ではドルの実効レートが3年ぶりの高値を付けた。米企業の短期資金の調達が難しくなるなど、ドルの需給が逼迫しているためだ。円相場は米株価が急落するなかでも円安・ドル高となっており、一時1ドル=108円台を付けた。

インターコンチネンタル取引所が算出するドルの総合的な価値を示す指数は18日、2017年4月以来、約3年ぶりに100台に上昇した。3月9日に付けた直近の安値からは6%強と急上昇している。2月下旬から3月初めは米金利の低下を受け、ドルは下落していたが、先週以降一転して上昇を強めた。
コマーシャルペーパー(CP、短期社債)市場で企業が資金を調達しづらくなっているのが背景だ。新型コロナウイルスの大流行で企業業績への悪影響が懸念されている。投資家も現金志向を強めており、CPは売られやすい状況だ。銀行間金利にも金利上昇は波及している。
米連邦準備理事会(FRB)は15日、日銀など5中銀と協調し、ドル資金供給の枠組みを強化した。米短期金融市場へも連日で大量の資金供給を続けるほか、17日にはCPを今後買い取る方針を示すなど、全力で市場の動揺を抑えようとしている。ただ、欧米での新型コロナの感染拡大が深刻化し、米国では外出禁止などの対応が広がる。経済への打撃が計り知れず、市場の不安が収まらない。

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