中道バイデン氏、指名へ優勢固める 早くも本選視野

米大統領選
2020/3/18 18:30
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バイデン前米副大統領=ロイター

バイデン前米副大統領=ロイター

【ワシントン=永沢毅】米大統領選に向けた野党・民主党候補選びは17日、大票田の3州で予備選を行い、中道派のジョー・バイデン前副大統領(77)がいずれも圧勝した。同氏は党の指名獲得に向けて優勢を固め、早くも11月の本選をにらんだ布石を打ち始めた。左派バーニー・サンダース上院議員(78)には撤退圧力が強まるが、新型コロナウイルスの感染拡大で選挙の実施を巡り不透明感が増している。

「私たちは指名獲得にまた一歩近づいた」。バイデン氏は17日夜、地元の東部デラウェア州からオンラインを通じた演説でこう自信を示した。17日は南部フロリダ、中西部イリノイ、西部アリゾナの大票田で計441人の代議員の獲得を争った。大統領候補に指名されるには代議員総数の過半数1991人が必要で、バイデン氏が獲得代議員数でリードを一段と広げた。

出口調査からは、サンダース氏から岩盤だったはずのリベラル層の支持が離れつつある様子がうかがえる。10日の中西部ミシガン州予備選では「とてもリベラル」と答えた支持層のうち63%が同氏に投票し、バイデン氏は33%だった。17日のフロリダは47%がバイデン氏となり、39%のサンダース氏を上回った。サンダース氏の逆転は一段と困難になった。

バイデン氏はトランプ大統領との対決を見据えた対応に力点を移しつつある。一つが左派の支持取り込みだ。

「サンダース氏とは戦術は違うが、めざすのは同じだ」。バイデン氏は演説で医療費引き下げや気候変動対策を例示し、サンダース氏と足並みをそろえられると強調した。「若者たちよ、私はあなたたちの意見も聞く」とも呼びかけ、サンダース氏の支持層である若年層に秋波を送った。選挙戦で対立が深まる中道と左派の結束につなげる狙いがある。

14日までに、先に候補指名争いから撤退した左派のウォーレン上院議員の破産法改革案への支持を表明。バイデン氏は副大統領候補に女性を起用すると明らかにしており、陣営内にはウォーレン氏の指名案も取り沙汰されている。

もう一つは陣営の体制刷新だ。司令塔となる選対本部長を交代し、2012年大統領選でオバマ前大統領陣営の幹部を務めた女性を起用した。資金集めなどでてこ入れを図る狙いがある。

サンダース米上院議員=ロイター

サンダース米上院議員=ロイター

もっとも、劣勢が鮮明なサンダース氏に撤退する気配はみえない。「今こそ学生ローンの帳消しが必要だ」。17日夜の支持者向け演説ではこう訴え、新型コロナを受けた緊急事態に対処するために自らの政策の必要性を力説した。

サンダース氏は大規模集会に若者を集め、草の根運動で結束を強めてきた。新型コロナの影響で各州の予備選が延期を余儀なくされるなかで、陣営内には態勢立て直しへの時間を稼ぎたいとの声も漏れる。

一方、与党・共和党ではトランプ氏が17日のフロリダなどの予備選で必要な代議員数を確保し、党の指名獲得を確実にした。AP通信によると、この時期に指名を固めるのは共和では過去に例がない早さだという。「共和党はトランプ大統領の指導力のもとかつてなく結束している」。陣営はこう誇示した。

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