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千葉県公示地価1.3%上昇 商業地・住宅地上げ幅拡大

34年ぶりに船橋駅前の商業地が最高価格地点となった

国土交通省が18日発表した千葉県内の2020年公示地価(1月1日時点)は全用途平均で前年比1.3%上昇し、7年連続で値上がりした。東京近郊を中心に土地の需要が高まり、商業地、住宅地ともに上昇幅が拡大した。工業地の値上がりも目立つ。ただ、新型コロナウイルスが地域経済にも影を落とし始めており、今後の地価動向には不透明感もある。

県内の調査地点(1237地点)のうち、値上がりしたのは657地点と前年に比べて3.0%増加した。下落地点は6.3%少ない281地点だった。東京に近い県北西部や東京湾アクアライン周辺で上昇基調が続く一方、県南部や外房地域は値動きが鈍く、土地需要の地域間格差は依然として大きい。

商業地で最も上昇率が高かったのはJR・京成船橋駅前の船橋市本町4丁目、JR本八幡駅前の市川市八幡2丁目で、いずれも前年に比べて20.0%値上がりした。船橋市本町4丁目は県内の商業地で前年の3位から1位に順位を上げ、34年ぶりに船橋駅前が最高価格地点となった。

船橋市は人口増加が続き、駅周辺を中心に店舗やオフィスの進出意欲が高い。米系不動産サービス大手のCBRE(東京・千代田)によると「船橋駅周辺は満室稼働のビルが多く、空室がほとんどない」。西武百貨店船橋店跡地の再開発への期待感も強く、周辺の土地需要が一段と高まる可能性がある。

市川市八幡2丁目は都営地下鉄新宿線で都心に直結する交通利便性に加えて、周辺でタワーマンションの建設が相次ぎ、地域の消費人口や購買力が高まっているのが商業施設や店舗の進出を後押ししている。

JR津田沼駅周辺の商業地も前年に比べて15%程度値上がりした。総戸数759戸のタワーマンション「津田沼ザ・タワー」など駅周辺の住宅開発が進み、街のにぎわいが高まっている。

住宅地は東京湾アクアラインの出入り口に近い君津市や木更津市の値上がりが続く一方、市川市や浦安市など東京近郊の上昇幅が拡大した。県内の地価調査を担当する不動産鑑定士の佐藤元彦氏は「都心へのアクセスに優れた東京メトロ東西線沿線を中心に住宅地の需要が高まっている」と指摘する。

公示地価は1月1日時点のため、新型コロナウイルスの影響による経済の停滞や土地の収益力低下は織り込まれていない。新型コロナの終息が遅れ、個人消費や設備投資が落ち込む場合、上昇が続く地価動向に変調をきたすおそれもある。

■工業地も値上がり加速

千葉県内で工業地の値上がりが加速している。平均上昇率は3.3%で前年(1.9%)を大きく上回った。東京外郭環状道路(外環道)や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の整備が進み、物流施設や工場の進出ニーズが高まっていることが背景にある。

県内の工業地で上昇率が最も高かったのは松戸市松飛台の11.1%で、東京圏全体でもトップだった。18年6月に外環道の県内区間が開通し、松戸市に初めての高速道路インターチェンジが開設されたことで交通利便性が一気に高まった。

上昇率が県内2位の市川市塩浜3丁目(10.2%)、3位の船橋市潮見町(9.4%)、習志野市茜浜2丁目(同)はいずれも東京湾岸に位置する。東京に近接しているのに加えて、外環道開通で埼玉県や北関東へのアクセスが向上し、土地の魅力が高まった。

ネット通販の市場拡大で物流施設の需要は増加基調が続く。物流施設は仕分けやパッケージングなど流通加工に人手がかかるため、人口流入が続く県北西部への進出は人材確保の面で利点が多い。工業地の地価上昇は当面続く可能性がある。

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