昭和の国民的作曲家、古関裕而の恋を小説に

文化往来
2020/3/24 2:00
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「父母が送り合った大量のラブレターを読み解いて小説にした」と語る古関正裕さん

「父母が送り合った大量のラブレターを読み解いて小説にした」と語る古関正裕さん

「栄冠は君に輝く」「高原列車は行く」などを生んだ昭和の国民的作曲家、古関裕而(1909~89年)の若き日の恋を描いた小説「君はるか 古関裕而と金子(きんこ)の恋」(集英社インターナショナル)が発売された。長男の古関正裕さんが両親の残した往復書簡をもとに小説化した。

裕而・金子夫妻は20歳と18歳の頃、4カ月ほどの文通交際だけで恋に落ち、初めて会った時に結婚している。「膨大な手紙のうち40通余りが私の手元に残りました。父の資料を整理する中で目を通したところ、こんなに熱烈な恋愛をしていたのかと驚きました。普遍的な愛の物語として小説にしてみたのです」と正裕さん。

正裕さんは高校時代、グループサウンズのヴィレッジ・シンガーズでキーボード奏者として活動していたが「バラ色の雲」や「亜麻色の髪の乙女」がヒットする前に脱退してサラリーマンになった。近年は「喜多三」という音楽ユニットを組み、父の楽曲を中心に演奏している。

昨年来、古関裕而生誕110周年を記念して関連書籍の出版が相次ぎ、2020年3月30日からNHKで古関夫妻をモデルにした連続テレビ小説「エール」も始まる。「実は『君はるか』は10年ほど前に書いていたのですが、出版の時機を逸していました。父の地元、福島市で原稿が回し読みされる中でドラマにしたら面白いというアイデアが生まれ、ドラマの誘致活動につながった。ドラマ化が決まった勢いに乗って、この本も出版できたのです」と正裕さん。

4月29日には人気投票で選ばれた古関作品を2枚のCDに収めた「あなたが選んだ古関メロディーベスト30」(日本コロムビア)も発売される。「長崎の鐘」「オリンピック・マーチ」「紺碧(こんぺき)の空」「六甲おろし」「イヨマンテの夜」「モスラの歌」などを収録する。

(吉田俊宏)

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