米、新型コロナで1兆ドルの経済対策 現金給付盛る

トランプ政権
2020/3/18 1:28 (2020/3/18 4:33更新)
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【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権は17日、新型コロナウイルスによる経済不安を抑えるため、総額1兆ドル(約107兆円)の景気刺激策の検討に入った。ムニューシン財務長官は「極めて大きな経済対策となる。米国民に小切手を直接送る施策を検討している」と述べ、現金給付を盛り込む考えを明らかにした。ボーイングなど米航空関連企業への支援策などと合わせ、17日中に詳細を固めたい考えだ。

ムニューシン財務長官は17日、与野党の議会指導部と相次いで会談し、大型の景気刺激策の詰めの協議に入った。同長官は「1兆ドルの経済対策を提案した。極めて大きな景気刺激策となる」と記者団に述べた。トランプ大統領は労使が負担する給与税の免除を提案。新型コロナで売上高が急減する航空会社や宿泊業などの資金支援も盛り込む。

今回の経済対策が1兆ドル規模となれば、連邦政府の年間歳出(4.7兆ドル)の2割を超える異例の大型景気対策となり、2008年のリーマン・ショック直後の緊急対策を上回る規模となる。08年時は銀行への公的資金注入や自動車メーカーへの資金支援などを目的に、ブッシュ政権(当時)が7000億ドルの緊急予算を用意。翌09年にオバマ政権がインフラ投資や失業保険の拡充などを目的に、7800億ドル規模の景気対策を成立させた経緯がある。

ムニューシン長官は17日の記者会見で現金給付構想を明らかにした上で「2週間以内に実施したい」とも述べた。規模や手法などは議会側と詰める。新型コロナで影響を受ける外食産業や宿泊業などは、時給労働者が少なくない。店舗などの一時閉鎖で無給休暇を迫られるケースがあり、米政権と議会に現金給付によって内需の急減を避けたい思いがある。

トランプ大統領は社会保障財源である給与税を、20年中は免除するよう議会に提案してきた。同税は労使それぞれが給与の6.2%を納税する仕組みで、税収は年1兆ドル強と全歳入の3分の1を占める。今春から免除すれば減税規模は8千億ドルと極めて大きいが、給与税は収入の断たれた失業者や休業者には減税効果が及ばず、緊急対策としての効果に疑問もある。

米議会は3月6日、ワクチン開発などに充てる83億ドルの緊急補正予算を成立させた。16日には下院で新型コロナの検査無償化などを盛り込んだ100億ドル規模の「経済対策第2弾」を可決済みだ。ホワイトハウスと議会は「第3弾」として家計や企業への大型の景気対策を検討。米航空業界は16日、連邦政府に500億ドルを超す支援を要請していた。

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