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FRB、企業に緊急資金供給 10年ぶりCP購入発動

(更新)

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は17日、企業の資金繰りを抜本的に支援するため、企業が短期資金の調達に使うコマーシャルペーパー(CP)を買い入れる緊急措置を発動すると発表した。新型コロナウイルスによる先行き不安で、企業は手元資金の積み上げを急いでおり、市場では資金不足が目立っている。企業に直接、潤沢な資金を供給して景気の一段の冷え込みを避けたい考えだ。

FRBは金融危機時だった2008年に、企業の資金繰りを支えるために、CPを買い入れる緊急措置を発動したことがある。市場環境が改善した10年に同制度を廃止したが、17日に復活を決めた。同日公表した声明文では「CP市場は幅広い経済活動に直接資金を供給しており、FRBの信用供与は家計や企業、雇用を支えるものになる」と強調した。一定の格付け以上のCPを対象とし、SPV(特別目的事業体)を通じて買い入れる。1年間の時限措置とするが、延長も可能だ。

CP市場は米国だけで1兆ドルの残高があるが、主要な買い手であるMMF(マネー・マーケット・ファンド)が資金確保のためにCPを相次いで売却。発行金利が急上昇して企業の資金繰りにマイナスとなっている。FRBが事実上の購入母体となることで、CPの金利を引き下げ、企業が手元資金を得やすくする。

FRBは15日、政策金利を1%引き下げてゼロ金利政策を復活させ、米国債などを7000億ドル買い入れる量的緩和も再開した。民間金融機関の資金不足を解消する狙いだったが、企業が直接資金を調達するCP市場への措置は見送っていた。08年の金融危機直後に打ち出した緊急対応をすべてそろえることで、あらゆる市場での資金の目詰まりを未然に防ぐ。

米国では新型コロナの感染者が4千人を超え、先行き不安が強まっている。旅客や宿泊、飲食といった産業は大打撃が避けられず、売上高の急減で手元資金が一気に細っている。米経済は企業の債務残高が既に16兆ドルと過去最大の規模に膨れ上がっており「信用不安」に火が付けば、金融システムにも影響しかねない。FRBは危機感を強めており「あらゆるツールを使って経済を支える」(パウエル議長)と主張する。

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