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IOC、柔軟な選考求める 新型コロナで五輪予選中止

(更新)

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続き、東京五輪の出場枠を争う予選や大会の中止、延期が相次ぐなか、国際オリンピック委員会(IOC)は世界ランキングなどに基づいて柔軟に選手を選考するよう国際競技連盟(IF)に求めた。1、2年の延期論も取り沙汰されるが、IOCは予定通りの開催に向けて準備を進める姿勢を示している。

IOCは17日、電話会議での臨時理事会を開き、東京五輪の開催を巡って「大会の4カ月以上前に抜本的な決定をする必要はない。現時点での臆測は非生産的だ」との声明を発表した。

IOCはこの日の臨時理事会で予選の延期・中止を受けた対応策を協議。現時点で固まっていない43%の出場枠については、予選方式の変更が必要な場合、世界ランキングや過去の競技結果などを加味するよう求めた。状況に応じて出場枠の拡大も検討する。

詳しい選考方法は競技ごとに柔軟に対応する必要があるとし、今後IFから提案を受ける。

3月に入り、多くの競技で予選などの延期、中止の決定が相次ぎ、五輪の出場権争いは事実上ストップしている。選手に動揺も広がり、フェンシングや近代五種などのIFは予選終了期間の延長などをIOCに求めていた。

選手が五輪の出場資格を取得できる期限は6月30日。各競技はそれまでに予選を終えなければならず、各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)による大会エントリーは7月6日が最終期限となっている。

IOCは17日、臨時理事会に続けて各IFとの電話会議も行った。

IOCのバッハ会長はこれまで予定通りの五輪開催を目指す姿勢を強調し、開催の是非については「世界保健機関(WHO)の助言に従う」との考えを表明している。

新型コロナの感染拡大がいつ収束に至るか見通すのは困難で、フランス・オリンピック委員会のマセリア会長は16日、ロイター通信に対し「5月末でもまだ危機的状況なら開催を見通せない」と語った。

五輪開催の決定権はIOCにあり、日本の政府や都、組織委は開催に向けた準備を続けている。

安倍晋三首相は17日未明、主要7カ国(G7)首脳のテレビ会議の後、首相官邸で記者団に対し「完全な形で実現することでG7の支持を得た」と述べた。萩生田光一文部科学相は同日の閣議後の記者会見で、無観客や規模を縮小しての開催はないとの考えを示した。

予定通りの開催が不可能な場合の選択肢として1年か2年の延期も取り沙汰されている。だが2021、22年には既に別の国際スポーツイベントの日程が組まれており、調整は容易ではない。

仮に21年の同じ時期に五輪が延期された場合、同年7月16日~8月1日に福岡市で開催される水泳の世界選手権とかなりの日程が重なることになる。同年8月6~15日には陸上の世界選手権も米オレゴン州で開かれる。

22年は2月に北京で冬季五輪、11~12月にカタールでサッカーワールドカップ(W杯)があり、東京でバドミントンの世界選手権が予定されている。2年後には24年のパリ五輪も控える。他のイベントと近接すれば相対的に観客の減少や関心の低下を招くことになり、スポンサーから不満が生じる可能性もある。

早稲田大の原田宗彦教授(スポーツビジネス)は「延期が不可能な選択肢だとはいえないが、他のイベントも延期や中止などの判断を迫られる。各国際競技連盟の反発が予想され、IOCも簡単には判断できないはずだ」とみている。

(山口大介、ジュネーブ=細川倫太郎)

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