関電、隠蔽体質浮き彫りに 社内調査を取締役会に諮らず
漏洩リスク回避を優先

環境エネ・素材
関西
2020/3/17 19:48
保存
共有
印刷
その他

関西電力の役員らによる金品受領問題で、関電が2018年にまとめた社内調査報告書の公表を、八木誠前会長ら当時の経営トップら3人の判断で見送ったことが17日、関電の第三者委員会(委員長=但木敬一元検事総長)の調査で分かった。情報漏れを恐れて取締役会にも報告しておらず、関電の隠蔽体質が改めて浮き彫りになった。

関電は福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(死去)から関電幹部が金品を受け取ったと金沢国税局からの指摘を受けて、18年7~9月に当時の副社長や弁護士らでつくる社内調査委員会で金品受領問題を調査。役員ら23人が森山氏から計約3億2千万円相当を受領したことが判明した。

第三者委の最終報告書によると、岩根茂樹社長(当時)は同年9月、社内調査報告書を受領。同月中に八木誠会長(同)とともに、森詳介相談役(同)に相談し、「コンプライアンス上不適切な点はあったが、違法性は認められない」などとして公表見送りを決めた。第三者委は、3人の対応を「ガバナンス(企業統治)の機能不全を示すものであったと言わざるを得ない」と厳しく批判した。

さらに八木氏と岩根氏は同10月に予定された定例取締役会に先立ち、取締役会への報告をしないとの方針を決定。背景に「問題を知る関係者が増えて情報漏洩リスクが高まることを避ける」との判断があったという。

同月中には「地元有力者の対応における不適切な事象について」と題する役員研修会が開かれた。だが森山氏ら関係者は匿名化され、金品受領者の氏名や金額の規模も明かさないなど概略の説明にとどまった。

監査役会への情報伝達も遅れた。取締役は会社法に基づき、会社に著しい損害を及ぼす恐れのある事実を発見したら直ちに監査役会に報告する義務がある。だが監査役への報告は、国税局の調査への報告を終えてから約2カ月後の同年10月で、最終報告書も「遅きに失した」と批判した。

最終報告書は「関電は公表して株主や(電力の)ユーザー、国民の評価を仰ぐべきだった」と指摘。「背信行為があったと言わざるを得ず、問題を隠蔽したとのそしりを免れない」と結論づけた。

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]