四国電力、伊方原発トラブルで報告書 作業144件見直し

2020/3/17 19:42
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四国電の長井社長(左)は中村知事にトラブルの原因と再発防止策を報告した(17日、県庁)

四国電の長井社長(左)は中村知事にトラブルの原因と再発防止策を報告した(17日、県庁)

四国電力は17日、伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)で定期検査中に電源喪失などトラブルが相次いだことを受け、愛媛県に原因と再発防止策を報告した。作業手順144件の見直しや、計画妥当性を確認する専任チーム設置などが対策の柱で、原子力規制委員会の公開会合などで議論される。ただ、地元理解を得た上での定検再開の時期はいまだ見通せない。

四国電の長井啓介社長は同日に県庁を訪ね、原因究明と再発防止策を盛り込んだ報告書を中村時広知事に手渡した。

中村知事は「(技術や組織など)多面的に分析し改善策を示したことは評価したい」と一定の理解を示した。一方で「原子力工学の専門家らのチェックが必要。追加の要請があった場合は速やかに対応してもらいたい」と述べ、定検再開に向けては原子力規制委や県の専門部会による検証が必要との認識を示した。

長井社長は「愛媛県や伊方町の理解を得た上で次のステップを議論する。現時点でスケジュール感は一切ない」と強調した。

再発防止策は5項目ある。具体的には、協力会社が定検の作業手順をまとめた作業要領書について、伊方3号機に関する約1100件を総点検した。その上で144件426カ所について、記載内容の充実などの修正を実施した。

伊方原発の品質保証課には4月、作業要領の内容や作業時期の妥当性を確認する専任のプロジェクトチームを設ける。4人体制で効果を検証した上で、将来的な恒常化も見据える。このほか軽微な気づきなどを幅広く収集し、改善につなげるプログラムの本格運用を4月に開始する。

伊方原発では1月以降、3件のトラブルが相次いで発生した。12日には3号機の原子炉容器で燃料を固定している装置をクレーンで引き上げようとした際、制御棒を誤ってつり上げた。25日午後には送電線の不具合で停電が発生し、一時的に電源が喪失した。今回の報告書ではこれらの原因と再発防止策を盛り込んだ。

四国電は愛媛県の求めに応じ、副社長が務める原子力本部長を同原発に常駐させ、陣頭指揮に当たっている。副社長の常駐については当面の間、継続する方針だ。トラブル続発を受けた社長を含めた責任者の処分については、今後の公開会合での議論結果などを踏まえて検討するとしている。(棗田将吾)

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