マイナス金利導入時の委員、黒田氏のみに 審議委員に日立・中村氏

2020/3/17 22:00
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政府は17日、日銀審議委員に日立製作所元副社長で同社取締役の中村豊明氏をあてる人事案を国会に提示した。6月に任期満了の布野幸利審議委員(トヨタ自動車出身)の後任で同じ産業界からの起用となる。25日に任期を迎える原田泰審議委員と布野氏が日銀を去ると、2016年1月にマイナス金利政策導入を決めた際の政策委員は黒田東彦総裁のみになる。

中村氏は一貫して財務畑を歩んできた。業績が悪化していた半導体事業や米国の情報通信機器子会社の立て直しで頭角を現し、07年に日立の財務トップの執行役専務、12年に同副社長に就任。「人好きのする明るい性格」(日立関係者)で、17年からは年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の経営委員も務めている。

日立は09年3月期に当時、製造業で最大となる7873億円の最終赤字を計上。川村隆氏(現東京電力ホールディングス会長)、中西宏明氏(現経団連会長)の2代社長の指揮下で、子会社の整理・売却や債務圧縮にも尽力。改革のメドがついた16年に最高財務責任者(CFO)を外れ、日立の取締役に就いた。

金融政策を決める日銀の政策委員は総裁と2人の副総裁、6人の審議委員の計9人で構成する。産業界、金融界、エコノミスト、学者などから起用され、中村氏は産業界枠でトヨタ副社長だった布野氏と重なる。中村氏の現行の金融政策へのスタンスは未知数だが、出身母体という意味では陣容は変わらない。

ただ布野氏が6月に退任すると、マイナス金利政策導入時の顔ぶれで残るのは黒田総裁だけになる。黒田総裁は企業の資金繰り支援などを決めた16日の金融政策決定会合後の記者会見で「マイナス金利の深掘りは可能で必要があればやる」と強調した。

5対4という僅差の賛成多数で導入したマイナス金利政策の「しがらみ」のない委員が大多数となることで、今後の金融政策運営に少なからず影響を与えそうだ。

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