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プロスポーツ開幕延期 首都圏ホームタウンに暗雲

新型コロナウイルス感染拡大防止でプロ野球やJリーグなどプロスポーツの公式戦開幕延期が相次ぎ、首都圏のホームタウンに影を落としている。地域の集客の原動力を果たしてきた各競技場。既にコンサートなどの中止や外出抑制で人出が減少していたこともあり、飲食店などからは悲鳴があがっている。

「外出の抑制やイベント自粛でかなりの打撃を受けている。プロ野球の開幕も延期だなんて先が見えない」。プロ野球巨人の本拠地である東京ドーム(東京・文京)近くの飲食店ビルの管理担当者はため息をつく。

プロ野球12球団と日本野球機構(NPB)は2月29日から3月15日までの春季非公式試合(オープン戦)を無観客で開催した。3月20日のセ・パ両リーグの開幕も延期している。東京ドームではオープン戦5試合が無観客開催となり、運営会社は「飲食や物販の売り上げがなくなった」。

コンサートなども中止となり、球場に隣接する遊園地も休業した。「新型コロナウイルスによる影響を現段階において合理的に算定することが困難」だとして2021年1月期の業績予想を「未定」と発表している。

マーケティング会社クロスロケーションズ(東京・渋谷)がスマートフォンの全地球測位システム(GPS)に基づく匿名の移動データを使い、2月の東京ドーム周辺の人出を前年同月と比較したところ15%減だった。ヤクルト本拠地の明治神宮野球場(東京・新宿)周辺も7%減少。ロッテのZOZOマリンスタジアム(千葉市)は4%減となった。

ZOZOマリンスタジアムのある幕張新都心はプロ野球の開幕延期と幕張メッセの相次ぐイベント中止という二重苦に直面している。JR東日本千葉支社によると、最寄りの海浜幕張駅の利用者は3月に入り、前年比3分の1に落ち込んだ。同地区内に店舗を構える焼き肉チェーンは「既に客数は前年を3割以上下回る状態」とこぼす。

横浜DeNAベイスターズは11日、横浜スタジアムで対広島カープ戦を無観客で実施。球場周辺にファンの姿はほとんどなく、スーツ姿のサラリーマンが行き交った。ベイスターズのファンらが集う居酒屋「バンバン番長」(横浜市)は「予約キャンセルばかりで店内がスカスカな時もある」(飛田和晃店長)。日々の売り上げも新型コロナウイルスの流行前に比べて約2割減った。

崎陽軒(横浜市)は横浜スタジアム内に販売店舗5店を構えるが、開幕先送りで見通しは立っていないまま。同社は予定していた商品の発注・製造を取りやめ、新メニューの検討など「開幕に向けて万全の体制でサービスができるよう努めている」(担当者)。

厳しいのはプロサッカーも同じ。Jリーグは2月26日から公式戦を延期している。浦和レッズの本拠地、さいたま市の飲食店でも客数減の影響が出ている。多くのファンが集う「酒蔵力浦和本店」では試合日に比べて客数が2割ほど減った。今井俊博店長は今後の状況について「びくびくしている」と不安は尽きない。

野球・サッカーともに公式戦延期の影響が直撃する3月は「さらに人出の減少が見込まれる」とクロスロケーションズの調査担当者は指摘する。営業時間の短縮や臨時休業に踏み切る飲食店・販売店も増えるとみられ、地域経済への打撃は避けられそうにない。

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