米中、新型コロナ巡り非難の応酬

2020/3/17 18:48
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中国外交担当のトップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員

中国外交担当のトップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員

【北京=羽田野主】新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、米中の外交官が応酬をくり広げている。中国共産党の習近平(シー・ジンピン)指導部は米欧の封じ込めの難航を引き合いに出して、中国の対応が「成功」しつつあるという国内向けの宣伝活動を強化。中国をウイルスの発生源とみている米国などが反発し非難し合う悪循環に陥っている。

中国外務省の耿爽副報道局長は17日の記者会見で、トランプ米大統領がツイッターで16日に新型コロナを「中国ウイルス」と表現したことについて「強烈に憤慨し、断固反対する」と話した。

事態がエスカレートするきっかけになったのは、中国外務省の趙立堅副報道局長のツイッターだった。趙氏は12日、ツイッターで「米軍が感染症を湖北省武漢市に持ち込んだのかもしれない」と主張した。具体的な根拠も示していないだけに反響は大きく、米国務省はただちに崔天凱駐米大使を呼んで抗議した。

ポンペオ米国務長官は16日、中国で外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員と電話で協議した。

米側の発表によると、ポンペオ氏は米国が新型コロナウイルスの発生源だとする中国の主張に強い異議を唱えた。「今は偽情報やくだらない噂を流布するときではなく、あらゆる国が共通の脅威に連携して立ち向かうときだ」と強調した。

中国国営中央テレビ(CCTV)によると、楊氏は「米国の何人かの政治屋は中国をおとしめて汚名をかぶせた」と主張。「米国のたくらみは思い通りにならず、中国の利益を損なういかなる行為も必ずや反撃に遭う」と述べた。電話協議は米側が要請したという。

習指導部は「ウイルスのまん延の勢いは基本的に抑え込んだ。状況は徐々にいい方向に向かっている」(習氏)と国内向けにアピールする一方で、欧米や日本などの対応の遅れを批判的に取りあげている。

党の指導の優位性を強調し、国内でくすぶる不満を和らげる思惑があるとみられる。こうした宣伝活動が海外に伝わりさらに反発を買う構図だ。

17日付の中国共産党の機関紙、人民日報は「中国のウイルス退治の措置は国際社会の参考に値する」と題した記事を掲げた。中国の措置は「ほかの国がウイルスに対抗するための時間を確保した」と主張した。

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