勝てる投資家への道(3) 成長株集中投資の響輝嚆矢さん

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2020/3/26 2:00
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写真はイメージ=PIXTA

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株式投資で1億円を超える資産を築いたスゴ腕投資家たちも、最初は株の初心者だった。数々の失敗や、厳しい相場を乗り越えながら、投資家として成長してきた実力派の軌跡から、投資のヒントを紹介する「勝てる投資家への道」。最終回は、徹底した節約生活で作った種銭を成長株に集中投資して5億円の資産を築いた響煇嚆矢さん(ハンドルネーム)だ。

数十万円で投資を始め、10年足らずで総資産を5億円にまで増やした響煇嚆矢さん。短期間で資産を大きく増やした背景には、投資を始めようと決心してから1年間の「修業期間」がある。

響煇さんが投資を始めようと考えたのは2010年頃。当時会社員だった響煇さんは順調な生活を送りながらも、「今後会社に残って自分が成長し豊かになれるイメージを作れないままでいた」。そんな中、元芸人の島田紳助さんの本『自己プロデュース力』に出合う。「現実をどう分析し、何をすれば成功するのかという考え方の枠組みをこの本から学んだ」と話す。

島田さんの本に触発された響煇さんは、投資家として生きる道を考え始めた。投資には個別株の選別が欠かせない。ビジネスモデルなどを分析し、何が成長するのにふさわしいのかを考える行為自体に響煇さんは魅せられた。「起業も考えたが元手がかかる。それなら、少額でも始められる投資の方がいいと思った」

■週700円の食費を実践

ただ、響煇さんはすぐに本格的な投資には向かわなかった。「あまりに経済や相場について知らないことが多過ぎる」と考えたからだ。そこで始めたのが、種銭作りも兼ねた「修業生活」。支出を徹底して抑え、投資の勉強に没頭した。

修業生活中の食費は1週間でわずか700円。やり方はこうだ。響煇さんは週1回、自宅近くの激安スーパーに通った。100円で野菜を袋に詰め放題にできるイベントが目当てだ。それに加えて豚小間肉やカレーやシチューなどのルーを買い込む。野菜と肉を煮込み、日替わりでルーを替えることで飽きを防いだ。「今から思うとおいしくないのだが、当時はこれで十分と思えた」と響煇さんは振り返る。

修業生活のもう一つの柱が日本経済新聞の通読だ。隅まで目を通し、分からない言葉があったらすぐに本などで調べる。会社や自宅、休日は図書館でひたすら数時間新聞を読み続けたという。自宅で読んでいる最中に寝てしまい、そのまま一夜が過ぎたこともあった。「あの時の経験が、ニュースの勘所や自分なりの相場観を身に付けることにつながった」

■テンバガーを当てる投資家に

修業生活は約1年続いた。当然、ストイックな生活はストレスもたまる。そんな中響煇さんが助けられたのが、アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の存在だ。彼女たちは路上ライブから活動を始め、長い下積み時代を経て成功した。スニーカーでステージを走り回り、必死でパフォーマンスを見せる彼女たちの姿に、響煇さんは自分を重ね合わせた。

響煇さんは今でも、当時の彼女たちの曲を聴くという。「今からして思えば、彼女たちとその背後にいる人たちも、成功するために何が必要かという緻密な戦略を立ててやってきたことが分かる。彼女たちの姿は、必死に前を向いた自分を思い返し、原点を見つめ直すきっかけになる」という。

修業期間を経て、響煇さんは11年から本格的に投資を始めた。ビジネスモデルなどの分析に基づき、厳選した成長株に集中投資することで資産を一気に増やした。

初期の投資先で思い入れがあるのはくら寿司(2695)だ。「回転ずし業界でいち早く注文データの分析に着手していたのに加え、すし皿を使ってゲームができるなど飽きさせない工夫をしていたところに成長性を感じた」と振り返る。同社株は一時購入時から10倍にまで値上がりし、今でも一部は保有しているという。

響煇さんは「大事なのは本気さだった」と自分の初心者時代を振り返る。「自分が正しいと思った道をどんなに辛くても貫けるかが、脱初心者への道だ」という。これから投資を始めようとする人たちへの響煇さんのエールだ。

(川路洋助)

[日経マネー2020年5月号の記事を再構成]

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