「触れる地球」常に変動する姿映す(古今東西万博考)
2005年・愛知

関西タイムライン
2020/3/24 2:00
保存
共有
印刷
その他

子供の教育などに使われている(オランダ国立科学博物館)

子供の教育などに使われている(オランダ国立科学博物館)

2005年の愛知万博に従来と異なる地球儀が出展された。京都造形芸術大学の竹村真一教授が発案した「触れる地球」だ。半球状のディスプレーを地球に見立て、そこに地図だけでなく、雨雲や海流の動き、地震の分布など様々な情報を映しだす。両手で触ると画面の地球が回転する。現在は廉価版も登場し、学校や博物館で利用されている。

「グローバルという言葉が定着した21世紀にふさわしい地球儀をつくりたい」。竹村教授は02年に開発を始めた。普及しているメルカトル図法の世界地図は16世紀に生まれたとされる。「常に変動する地球の姿を映せていない」と感じ、変化の可視化を目指した。触れる地球は気象衛星のデータを取得し、1時間ごとの雲の動きを投映する。二酸化炭素(CO2)濃度や海水温は色分けして示す。

愛知万博の会場では万博のあり方に一石を投じた。触れる地球をカメラで囲み、アフガニスタンなど世界各地の学校に中継した。「万国博覧会と言いつつ、経済力の低い国は参加できていない」。貧しい国の子供にも触れる地球のデモンストレーションを見てもらった。

触れる地球は北海道洞爺湖サミットやオランダ国立科学博物館でも展示された。竹村教授は18年、小型の後継機「スフィア」を開発した。価格は一般向けで税別98万円と、愛知万博の出展品よりもおよそ9割安くした。導入した学校では理科や社会の授業に使われている。国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する注目が高まるなか、竹村教授は「日本の多くの小中学校に普及させたい」と話す。

(梅国典)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]