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豪調査会社「大半の航空会社破綻も」 欧州で減便一段と

世界的な渡航制限で航空各社の収益悪化は深刻に(英ブリティッシュ・エアウェイズの機体)=ロイター

【ロンドン=篠崎健太】オーストラリアの航空調査会社CAPAは16日、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な渡航制限のあおりで「5月末までに大半の航空会社が経営破綻する」可能性があるとの見方を示した。欧州では同日、さらなる減便を発表する動きが相次いだ。需要の急減で航空各社の資金繰りは悪化しており、事業の継続へ一刻を争う状況になってきた。

CAPAは「すでに多くの航空会社が、厳密にいえば破産状態に追い込まれているだろう」との見解を表明した。収支の急速な悪化で「少なくとも財務制限条項に抵触している」と指摘した。そのうえで「破滅的状況を回避するには政府と業界の協調対応が今すぐ必要だ」と訴えた。

航空会社は機材のリースやシステム、人件費といった、売り上げと無関係にかかる固定費の負担が重い。損益分岐点が高く、需要が減って収入が落ち込めば業績と資金繰りは一気に厳しくなる。

英ブリティッシュ・エアウェイズやイベリア航空(スペイン)を傘下に持つインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は同日、4~5月の輸送能力が前年同期比で少なくとも75%減るとの見通しを示した。中国やイタリア路線などの休止に加え、トランプ米政権による欧州からの入国制限で環境が一段と悪化している。

IAGの声明では「各国の渡航制限が世界の航空需要に深刻な悪影響をもたらしている」と指摘した。手元流動性は12日時点で93億ユーロ(約1兆1000億円)で潤沢だと強調したが、システム投資の延期や従業員の一時帰休などに乗り出した。緊急対応を指揮するため、ウィリー・ウォルシュ最高経営責任者(CEO)は26日に予定していた退任を延期する。

欧州格安航空会社(LCC)最大手のライアンエアー・ホールディングスも16日、4~5月の旅客輸送能力が最大80%減ると発表した。各国で広がる渡航制限により「今後7~10日で欧州全体で大半の運航ができなくなる」見通しだと警告した。

独ルフトハンザも同日、傘下のオーストリア航空で19日~28日の期間、全便を運休すると発表した。ルフトハンザグループ全体でもさらに運休を拡大し、長距離便で約90%、近距離便で約80%の輸送能力を削減する。当初の計画ではグループ全体で長距離便は週に約1300便、短距離便は約11700便を飛ばす予定だった。

仏経済紙レゼコーは、仏政府が仏蘭エールフランスKLM支援のため、同社への出資比率を引き上げることを検討していると報じた。現在は14.3%の筆頭株主になっている。同社は13日、新型コロナによる利用客数の激減を受け、2000人の人員削減に踏み切ると発表している。仏政府は資金を注入し、当面の経営を支える考えだ。

ただ14%を出資するオランダ政府はフランス側の経営への影響力が高まりすぎることを常々懸念しており、実現には両国政府の協議が必要になる。

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