タイ、旧正月の祝日延期へ 新型コロナの拡散防止
【バンコク=岸本まりみ】タイ政府は16日、旧正月の祝日を延期する方針を発表した。旧正月には多くの企業や工場が休みになり、ふるさとへ帰省する人が増える。タイ政府は2020年の旧正月の祝日を4月13~15日と定めていたが、新型コロナウイルスの感染拡大阻止を優先する。

17日の閣議で正式に決める。代わりとなる祝日の時期は未定だが「新型コロナウイルスの感染が収束した後」(ウィサヌ副首相)としている。
タイの旧正月は「ソンクラン」と呼ばれ、水を掛け合う風習で知られる。発表を受けて市民からは「帰省したら親族との食事で感染が急拡大しかねないので、いい考えだと思う」「今は混み合った場所で水を掛け合うべきではない」といった肯定的な意見が聞かれた。一方で「すでにホテルと航空券を予約してしまった」「休みにした方が企業が消毒を徹底できるのでは」といった落胆の声もあがっている。
タイでは16日時点で147人の感染が確認されている。タイ政府は主力の観光業への打撃を抑えるため、感染拡大防止に力を注いでいる。