九州・沖縄の地銀、企業の資金繰り支援 新型コロナ

2020/3/17 5:30
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九州・沖縄の地方銀行が、新型コロナウイルスの感染拡大で業況が悪化した企業や個人事業主への支援を強化している。福岡銀行などが休日の相談窓口を設置したほか、鹿児島銀行などは融資条件の変更にかかる手数料を免除。宮崎銀などは金利を下げた融資商品を設けた。地場の企業活動を資金面で支え、新型コロナ拡大による地域経済の停滞を防ぐ狙いだ。

福岡銀行は相談窓口などを通じて全取引先の状況を調べている(福岡市の本店営業部)

福岡銀行は相談窓口などを通じて全取引先の状況を調べている(福岡市の本店営業部)

福岡銀行や親和銀行などふくおかフィナンシャルグループ(FG)の傘下4行や佐賀共栄銀行は14日、週末の土日も取引先からの融資や資金繰りに関する電話相談の受け付けを始めた。

ふくおかFG傘下行では商品の仕入れや販売など経営の悩みや、個人ローン返済に関する相談も受け付けている。4月末まで開設し、状況に応じて延長も検討する。

宮崎銀行南日本銀行は、休日にも営業している個人向けのローン専門拠点を活用し、いずれも14日から企業や個人事業主と対面で相談を受け付け始めた。肥後銀行は週末の14、15日、熊本県内の16本支店で相談会を開き、70件の相談があった。

西日本シティ銀行は19日、インバウンド(訪日外国人)からの売り上げが大きい小売店などが集まる福岡県太宰府市の支店で、日本政策金融公庫と合同で相談会を開く。

鹿児島銀行や沖縄銀行は新型コロナの影響で減収となった事業者に対し、融資期限の延長や返済額の軽減など融資条件の変更に掛かる手数料5500円を免除し始めた。

宮崎銀行と宮崎太陽銀行は共同で融資枠50億円のファンド「ひなた ワンチーム」を創設した。金利は所定より0.1%低く設定する。

筑邦銀行も10日から事業や生活費に使えるローン商品で、新型コロナの影響を受けている事業者や個人向けに金利を割り引く対応を始めた。

九州・沖縄の地銀は取引先への聞き取り調査を実施し、新型コロナウイルス感染拡大が地域経済に与える影響の把握を急いでいる。各行は2001年の米同時多発テロや16年の熊本地震より深刻な影響があるとの見方を強めている。

ふくおかフィナンシャルグループの4行が12日までに調査した取引先約2万6千社では、約17%にあたる4500社が「現在、事業に影響がある」と回答。約6%(1500社)は追加借り入れなど「融資のニーズがある」とした。

九州フィナンシャルグループ(FG)の肥後銀行では新規融資や条件変更といった支援の要望が3000件を超えた(12日時点)。業種は多岐にわたるが、宿泊や飲食などサービス業のダメージが大きいという。

宮崎銀行では人件費や原材料費の支払いが難しくなったホテル・旅館などの観光業、貸し切りバスなど運輸業者、飲食業から問い合わせが多く、融資を実施したケースもあった。住宅関連では「水回りや空調設備、建材の納入が遅れている。新規受注も受けにくい」(大分銀行)といった声が出ているという。

九州FGは「新型コロナは被害の終わりが明確でなく、リーマン・ショックや熊本地震以上に深刻な事態だ」と話す。沖縄海邦銀行は沖縄県で観光客の急減を招いた米同時多発テロや、03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行と比べても、「今回の方が状況が厳しい」としている。

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