イスラエル大統領、野党指導者に組閣要請 連立協議は不透明

2020/3/16 17:49 (2020/3/16 20:07更新)
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【カイロ=飛田雅則】イスラエルのリブリン大統領は16日、2日の総選挙で第2党となった中道野党連合「青と白」の指導者ガンツ元軍参謀総長に対し、組閣を要請した。国会の全政党に次期首相候補を聴いたところ、ガンツ氏の推薦が過半数に達したため。ただ、ガンツ氏支持勢力の間では政策面で対立が残り、このまま同氏が政権を獲得できるかどうかは不透明だ。

ガンツ氏への推薦が国会の過半数に達した=AP

仮にガンツ氏が首相に就任すれば、2009年3月に右派リクードを率いる現職のネタニヤフ氏が就いてから11年ぶりの政権交代となる。リクードは36議席を得て第1党となり、リブリン氏がネタニヤフ氏に組閣を要請するとの見方が一時は強まった。だが、収賄罪などで起訴されて初公判を待つ同氏の求心力は低下しているもようだ。

15日の大統領府の声明によると、61人の議員がガンツ氏を推し、一院制の国会(定数120)の過半数に達した。「青と白」(33議席)のほか、第3党のアラブ系政党、リーベルマン元国防相が率いる極右「わが家イスラエル」などが推した。一方、ネタニヤフ氏の続投支持はリクードを軸に右派・宗教系勢力の計58人だった。議員1人はどちらも推薦しなかった。

ガンツ氏は要請を受けてから最長で6週間、連立協議を主導する。組閣に失敗すれば、大統領が別の首相候補に改めて組閣を依頼する仕組みだ。

多数派の形成は、与野党のいずれの陣営にも参加しにくいリーベルマン氏の動向がカギを握るとみられていた。リーベルマン氏は今回、野党陣営に加わる意思を表明したが、隣接するパレスチナへの強硬姿勢を唱える同氏と、親パレスチナのアラブ系政党は根本政策で対立する。これを回避するため、ガンツ氏がアラブ系政党の閣外協力を得て少数与党の政権樹立を目指すとの見方もある。

リブリン氏が、青と白とリクードによる大連立政権の樹立を期待しているとの観測も残る。同氏は15日、ネタニヤフ氏とガンツ氏を招き、緊急会議を開いた。リブリン氏は会議後の声明で「(与野党)両陣営は交渉を続け、議論を深める必要がある」と強調した。同氏は新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため大連立政権が適切だと公言しており、2人に協力を求めた可能性がある。

ネタニヤフ氏は自らの首相続投を前提に大連立を提案済み。だが、野党陣営は汚職の被告であるネタニヤフ氏の続投阻止で一致している。同氏の初公判は当初、17日に予定されていたが、新型コロナ対策を理由に5月24日へ延期された。

イスラエルでは19年4月に総選挙、同年9月にやり直し選挙があり、いずれも首相候補が組閣に失敗した。2日が2度目のやり直し選挙だった。

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