仏地方選、マクロン氏の与党が苦戦 年金改革に逆風

2020/3/16 18:00
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【パリ=白石透冴】フランスで15日に実施された統一地方選1回目投票は、マクロン大統領の与党共和国前進が首都パリなど主要都市で相次ぎ敗北した。環境政党など野党に幅広く票が流れた。マクロン氏は地方選の結果は国政に影響しないとの立場だが、同氏が進める年金改革には大きな逆風となる。22日には、2回目の投票が迫るが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け延期論が浮上している。

マクロン大統領(右)の与党は大都市で苦戦した(15日、仏北部ルトゥケ)=ロイター

「壊滅的だ」「失敗だ」。仏紙フィガロによると、共和国前進の幹部は1回目投票の結果を受けて、相次いで失望の声を上げた。与党はパリなど大都市でいずれも他党の首位獲得を許した。得票率の低かった政党を除いて実施する2回目投票で、当選者が確定する。

市町村選挙に当たる今回の選挙で、与党は当初から苦戦が伝えられてきた。国政レベルでは複雑な年金システムを一本化する年金改革法案が国会で審議中だが、マクロン氏が下院決議無しに法案を上院に送る強硬策に出たことなどから既得権を失う公務員らを中心に不満が蓄積していた。

マクロン氏は「地方選の争点は国政ではない」という論法で、自身の改革には逆風とならないという態度を決め込んできた。ただ15日仏調査会社Ifopが発表した世論調査によると、国民の23%が政府を「罰する」ために投票したと答えた。今後の政権運営にも逆風となりそうだ。

結果として、野党に幅広く票が流れた。パリでは首位に社会党、2位に共和党と旧二大政党の候補が競う結果となっている。与党のビュザン前保健相は3位で約17%の得票にとどまった。他の主要都市でもマルセイユで社会党系、ボルドーで共和党系候補が首位だ。

極右国民連合は首長職を持つ自治体を改選前の約10からさらに50上積みを目指したが、ほぼ現状維持の結果だったようだ。エコロジー・緑の党(EELV)は中部の主要都市リヨンで首位を取る躍進をみせた。

投票率は45%前後だったとみられる。前回2014年から約20ポイント低く、1958年に始まった現行の政治体制下で最低となったもようだ。ウイルス感染の懸念が高まるなか、高齢者を中心に棄権する人が相次いだ。

仏政府関係者が日本経済新聞に明かした情報では、仏政府は近く全国での外出禁止令を出すことも検討している。その場合は22日の2回目投票実施は難しくなるとみられ、延期や中止という異例の措置を取る可能性がある。

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