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神奈川県の住宅地価、鉄道開発がけん引 3年連続上昇

住宅地の上昇率トップは羽沢横浜国大駅周辺だ(2019年11月の開業日の様子)

国土交通省が18日発表した2020年の公示地価(1月1日時点)で、神奈川県内の住宅地は前年比0.3%上昇した。上昇は3年連続。相模鉄道がJR線との相互直通運転に伴い新設した羽沢横浜国大駅(横浜市)近くやリニア中央新幹線の新駅が整備される予定のJR橋本駅(相模原市)周辺などが上昇。鉄道開発が進む地域が全体の地価上昇をけん引した。

羽沢横浜国大駅近くの横浜市神奈川区羽沢南地点の上昇率は8.7%と前年(3.4%)を大きく上回った。同駅は19年11月に開業。都心への交通利便性が高まり、住宅地としての魅力が高まった。現状、駅周辺でマンション建設などの動きはあまりないが、ケイ・ツー不動産鑑定の小林一寿代表は「これから(住宅開発の)動きが出てくるだろう」と予想する。

上昇率上位10地点のうち、橋本駅周辺が5地点を占めた。27年のリニア開業を見越して地価上昇が続いており、例えば相模原市緑区橋本2丁目地点は10年前に比べて8割近く上昇した。県政策局は「橋本駅徒歩圏内やその周辺にも地価上昇が波及している」と指摘。すでにマンションなど住宅開発が進んでいる。

33市町村別では3政令市など11市町が上昇した。鎌倉市や逗子市は「富裕層の需要が堅調で高額取引がみられる」(県政策局)といい、下落から上昇に転じた。

一方、特に下落幅が大きいのが三浦市だ。市全体の下落率は前年比4.1%と前年(4.6%)に比べて縮小したが、県内自治体で最も大きかった。同市最南端の三崎地域の地価は10年前に比べて4割超下がっているほか、同市内の調査地点はいずれもこの10年間下落が続いている。

県政策局は下落地域の共通点について「都心へのアクセスが劣り、人口減少や高齢化が進行している」と分析する。山北町(3.1%)や南足柄市(2.9%)、横須賀市(2.4%)なども下落が目立った。

今後の県内における地価の動向について、小林代表は「新型コロナウイルス感染拡大などで(経済への)マイナスの要素が大きい」としたうえで「これまでの地価上昇を圧縮するのか、すべて打ち消すのか、見極める必要がある」としている。

商業地、2.7%上昇 上位6地点は横浜駅周辺

神奈川県の商業地の地価は8年連続で上昇し、前年比2.7%上昇した。上昇率は2008年(8.2%)以来の水準だった。上位10地点のうち6地点を横浜駅周辺が占めるなど、都市部の上昇が鮮明だ。

横浜駅では大規模複合ビル「JR横浜タワー」が5月に開業する予定で、一段の集客増が期待されている。上昇率首位は横浜駅近くの横浜市神奈川区鶴屋町で15.9%。10年前と比べた上昇率は8割を超える。

33市町村別で上昇率トップは川崎市(5.1%)だった。特に川崎駅周辺でオフィスや住宅の需要が拡大しており、街を行き交う人の増加が商業地としての需要増につながっている。県政策局は川崎駅からやや離れた商業地でも「比較的高額な取引がみられ、駅周辺の地価上昇が波及している」という。東急線の溝の口駅や武蔵小杉駅近くも大きく上昇した。

台風19号で甚大な被害を受けた箱根町は19年の1%の上昇から横ばいとなった。新型コロナウイルスによりインバウンド(訪日外国人)の集客減も重なっており、主力の観光業を中心に打撃を受けている。

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