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「影響の深さや期間、不確実性大きい」 日銀・黒田総裁会見

(更新)
記者会見する日銀の黒田総裁(16日、日銀本店)

日銀は16日、18~19日に予定していた金融政策決定会合を前倒しで開いた。黒田東彦総裁は会合後に記者会見し「当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」と強調した。リーマン・ショックのような金融危機とは「性質が異なる」と指摘したが、感染が「時間差で世界に広がっている。内外経済への影響の大きさ、期間については不確実性が大きい」と語った。

日銀は今回の会合で、新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の動揺に対応するため、上場投資信託(ETF)の購入目標を年12兆円に倍増して積極的に購入することや企業の資金繰り支援策を拡充することを決めた。現在マイナス0.1%の政策金利の引き下げ(マイナス金利の深掘り)は見送った。

これに関し、黒田総裁は「マイナス金利の深掘りなり何なりは可能で、必要ならするが、いま必要なのは企業の資金繰りについて万全を期すことだ」と語った。今回の措置は政府の対策や各国の対応と相まって、金融経済活動の下支えに貢献するとの見解を示した。

日銀は今回、景気判断について「弱い動き」に引き下げ、「拡大」との表現を3年ぶりにやめた。黒田総裁は「需要や生産が一時的に減少する」とし「先行きは緩やかな拡大基調にある」と述べた。今回の問題はリーマン・ショックのような金融システム内にリスクが蓄積された危機とは「性質が違う」と指摘した。一方で、不確実性が高く「V字回復するとはなかなか言い難い」とした。

日銀の追加策が伝わった16日の東京株式市場では日経平均株価が下落したが、黒田総裁は市場の動揺を沈静化するうえで「金融政策に一定の効果がある」と強調。「きょう(の市場の動き)うんぬんであまり悲観することはない」と話した。

世界的な金融市場の動揺を受けて、米連邦準備理事会(FRB)は15日に今月2度目となる緊急利下げに踏み切っており、日銀も市場の安定に向けた施策を早めに打ち出す必要があると判断した。日銀が決定会合を前倒しするのは初めてで、黒田総裁は「前倒しが決まったのはきょう(16日)」と説明した。

新型コロナウイルスの感染が世界各地で時間差で広がっていることから「経済の下押しが一定期間続くことがあり得る」と分析。「それぞれの地域の感染拡大が一定期間で収まっても、企業の資金繰りなどの影響は若干残る。相当注意して対応する必要がある」と述べた。外国為替市場の動きについては「大幅な円高なら対応が必要」と言及。「ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要。大きく変動すると企業にとって不確実だ」と述べた。

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