19人殺害、比較できぬほど重大 相模原殺傷で死刑判決

社会・くらし
2020/3/16 14:17 (2020/3/16 16:34更新)
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相模原殺傷事件の植松被告に死刑判決が言い渡された横浜地裁前に集まった支援者ら(16日、横浜市中区)

相模原殺傷事件の植松被告に死刑判決が言い渡された横浜地裁前に集まった支援者ら(16日、横浜市中区)

相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人を殺傷したとして、殺人罪などに問われた元職員、植松聖被告(30)の裁判員裁判の判決公判が16日、横浜地裁であった。青沼潔裁判長は被告の刑事責任能力を認めた上で「犯行結果は他と比較できないほど重大。酌量の余地は全くなく、厳しい非難は免れない」として、求刑通り死刑を言い渡した。

裁判では事件当時の責任能力の有無や程度が争点になった。弁護側は「大麻精神病で異常な思考に陥った」などと無罪を主張していた。

青沼裁判長は死刑の主文を後回しにし、判決理由の朗読から始めた。「障害者が不幸を生む」といった被告の発想については「とうてい是認できないが、病的な飛躍があるとまではいえない」と説明。幻覚や妄想があったことは否定できないものの「その程度は強くはなかった」とした。

傍聴券を求めて列を作る人たち(16日、横浜市中区)

傍聴券を求めて列を作る人たち(16日、横浜市中区)

殺害現場での行動についても、重度障害者を選別して襲ったほか、当初は胸を刺したが包丁の刃先が欠けたため狙いを頸部(けいぶ)に変えるなど、動機に沿った柔軟で合理的な行動をしており「大麻精神病などが犯行に影響を与えたとは考えられず、善悪の判断能力の喪失や著しい低下があったとの疑いは生じない」として、完全責任能力があったと判断した。

その上で青沼裁判長は「19人もの人命が奪われたという結果は他の事例と比較できないほど重大で犯情は誠に重い」と非難。遺族の峻烈(しゅんれつ)な処罰感情も当然だとして「死刑をもって臨むほかないと判断した」と結論付けた。最後に「被告人を死刑に処す」と主文を読み上げた。

被告人席に座った植松被告は背筋を伸ばし、身じろぎせずに判決を聞いていた。読み上げが終わると右手をあげ「最後に一つだけいいですか」と述べたが、発言は許されなかった。閉廷後、傍聴席に向かって何度か頭を下げた。

判決によると、植松被告は入所者の男女19人を刃物で突き刺すなどして殺害し、職員2人を含む26人に重軽傷を負わせるなどした。

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