FRB声明要旨「新型コロナ、経済見通しのリスクに」

2020/3/16 7:39 (2020/3/16 8:20更新)
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FRBのパウエル議長(3日に会見するパウエル議長)=ロイター

FRBのパウエル議長(3日に会見するパウエル議長)=ロイター

米連邦準備理事会(FRB)が15日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開いて1.0%利下げした。声明要旨は以下の通り。(詳報は「FRB議長『試練乗り切るまでゼロ金利維持』 会見要旨」参照)

新型コロナウイルスの拡大が多くの国の経済活動を損なわせている。世界的な金融環境も重大な影響を受けている。経済データは米経済が力強い足元においても試練の時を迎えていることを示している。1月のFOMCの会合以降に得た情報は、労働市場は底堅く、経済活動は緩やかに上向いているということだった。

家計支出は緩やかに伸びているが、企業の設備投資と輸出は弱いままだ。直近では、エネルギー業界が強い圧力にさらされている。食料とエネルギーを除いた(コアの)12カ月平均の物価上昇率は2%を下回っている。

FOMCは最大の雇用と物価安定を持続させることを求めている。新型コロナの影響は近い将来の経済活動に重くのしかかり、経済見通しのリスクとなるだろう。これらの状況に照らし、政策金利目標を0~0.25%に引き下げることを決めた。この金利目標は経済活動に対する直近の出来事の影響が晴れたと自信を持てるまで、そして最大雇用と物価目標の実現のための軌道に乗れると判断できるまで維持するだろう。今回の決定は経済活動、強い労働市場環境、2%の物価目標への回帰を助けるだろう。

FOMCは新たに出てくる経済見通しに関する情報を注視する。その情報は健康関連から物価の下押し圧力に関するものなどに及ぶ。我々の取れる手段を使い、経済を補助するための適切な行動をとる。将来の金融政策のスタンスを調整する時期とその規模を決めるためには、FOMCは実際と予想される経済状況を評価する。この評価は幅広い情報を考慮に入れる。労働市場や物価上昇圧力や物価上昇期待、金融環境や国際情勢を含む。

FRBは家計や企業の信用を支援するための手段を行使する準備ができており、これにより雇用の維持と物価安定を促す。家計や企業の信用の中心となる米国債市場と住宅ローン担保証券(MBS)市場の機能を支援するために、今後数カ月間で米国債を少なくとも5000億ドル、MBSも同じく2000億ドル購入する。

FRBは家計や企業の信用ニーズを支援するため、他の中央銀行と連携したドル資金の通貨交換(スワップ)の拡充などもあわせて発表した。

決定はパウエル議長及びウィリアムズ副議長を含む9人のメンバーの賛成による。(クリーブランド連銀の)ロレッタ・メスター総裁は(政策金利である)フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.5~0.75%にすべきだとして反対した。

カナダ銀行、イングランド銀行(BOE)、日銀、欧州中央銀行(ECB)、FRB、スイス国民銀行(中銀)は、米ドルスワップ協定を通じた流動性供給を拡充する策を公表した。

これらの中銀は米ドルスワップ協定に適用される金利を0.25%引き下げ、新しいドルの翌日物スワップ金利(OIS)に0.25%上乗せする。期間の長い流動性供給を効果的にするため、現行の1週間物に加えて、84日物のドル供給を始める。16日の資金供給から適用する。

スワップ協定はいつでも利用可能な常設の制度だ。グローバルな資金調達の緊張を和らげる重要な安全弁として機能し、国内外での資金調達の緊張や信用供給に与える影響を軽減することにつながる。

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