米、英国・アイルランドからの入国も禁止 16日から

2020/3/15 2:00 (2020/3/15 5:16更新)
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14日、ホワイトハウスで記者会見するトランプ氏=AP

14日、ホワイトハウスで記者会見するトランプ氏=AP

【ワシントン=鳳山太成、ロンドン=佐竹実】トランプ米政権は14日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため欧州に実施した入国規制について、16日深夜(日本時間17日午前)から英国とアイルランドも追加すると発表した。両国を除く欧州26カ国に過去14日以内に滞在した外国人の入国禁止を始めたが、英国などでも感染者が増えていることに対応する。人の往来が多い米英間も対象に加わり、経済への影響が一段と広がりそうだ。

ペンス副大統領がホワイトハウスで記者会見して明らかにした。米商務省によると、英国からの米国訪問者は2018年で約466万人。国別ではカナダ、メキシコに次いで3番目に大きい。欧州からの米国訪問者の3割を占める英国を加えることで一気に規制の対象者が増える。欧州大陸の滞在者が、英国を経由して米国に入る手段も使えなくなる。

アイルランドは53万人で17位。英国とアイルランドから帰国する米国人は入国できるが、特定の空港に限定するという。

ペンス氏の発表に先立ち、記者会見したトランプ大統領は「残念ながら(英国などにはウイルス拡大の)動きが少しある」と述べた。

トランプ氏は11日の国民向けテレビ演説で、欧州からの入国規制を発表した。その際は英国とアイルランドを除き、相互に出入国審査を免除する「シェンゲン協定」の加盟国のみを対象にした。

しかし英当局は14日、感染者数が1140人にのぼったと発表し、オーストリアなど他の欧州諸国を上回る。1日で300人以上増えるなど事態が急激に悪化しており、米政権が英国を除く入国規制を続けることに説得力がなくなっていた。

トランプ氏は13日に国家非常事態を宣言し、検査態勢の強化など新型コロナ対策に総力を挙げる姿勢に転じた。これまでは経済や株価への影響を気にして強硬策に慎重な姿勢を貫き、批判を浴びていた。米国内で感染者が急増するなか「人々への影響を抑え、ウイルスの拡散を遅らせるべきだ。今後8週間が重要だ」(同氏)として、経済への副作用を避けるよりもウイルス拡大の抑止に軸足を移している。

米国による英国とアイルランドの入国規制はビジネスに大きな影響を与えそうだ。すでに入国制限をかけられた欧州連合(EU)は強く反発しており、米英関係がさらに冷え込む懸念がある。

大西洋を結ぶ米英間の航空便は、航空会社にとってドル箱路線だ。観光だけでなく、世界有数の金融街であるロンドンのシティーと、ニューヨークのウォール街を行き来するビジネスパーソンの需要は大きい。英ブリティッシュ・エアウェイズだけでも、ロンドン―ニューヨーク便は1日に13便(コードシェア含む)程度が飛んでいる。

EUを離脱した英国は、米国と自由貿易協定(FTA)を早期に結ぶことをめざしている。米英は、中国の通信機器大手華為技術(ファーウェイ)の採用をめぐっても対立する。新型コロナをきっかけに米英関係がこじれれば、通商交渉に影響する可能性もある。

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