対中政策で連携重視 駐日米大使にワインスタイン氏

2020/3/14 14:34
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【ワシントン=永沢毅】米ホワイトハウスは13日、トランプ米大統領が次の駐日米大使に保守系シンクタンク、ハドソン研究所所長のケネス・ワインスタイン氏(58)を指名すると発表した。ペンス副大統領やポンペオ国務長官ら政権中枢とパイプがあり、中国への対抗やインド太平洋戦略での連携強化をめざす政権の方針に沿った人事となる。日米間の懸案処理にどこまで手腕を発揮できるか不透明な部分もある。

ハドソン研究所のワインスタイン所長

ワインスタイン氏は1991年にハドソン研究所入りし、2011年から所長を務めた。同研究所はトランプ政権に近い保守系シンクタンクの一つで、ワインスタイン氏は政権中枢との関係の構築に努めてきた。

その一人がペンス氏だ。同氏が2018年秋に「新冷戦」の始まりともいわれる対中政策に関する演説をした場所がハドソン研究所だった。

「協力国は中国の意図が略奪的なものだと警戒しており、インフラ資産を失うリスクがあると考えている」。ワインスタイン氏は論文などで、中国が掲げる広域経済圏構想「一帯一路」に警鐘を鳴らしてきた。こうした認識は、ペンス氏やポンペオ氏らと完全に一致する。

インド太平洋戦略でもオーストラリアなどとの連携の重要性を提唱しており、日本政府の立場もよく理解しているとされる。

ワインスタイン氏は19年に同研究所にマクマスター元大統領補佐官(国家安全保障担当)を担当部長に招いて日本担当部門を新設。訪日した際には、安倍晋三首相や当時の河野太郎外相らとも会談するなど日本政府とのパイプもある。もっとも、米政府関係者によると「必ずしも知日派ではない」という。

これまでの駐日大使は議会の大物OBや、大統領との個人的な信頼関係のある人物が就いたケースが多い。前者は上院議員などを務めたウォルター・モンデール元副大統領や上院院内総務だったマイク・マンスフィールド氏が代表格だ。

後者は直近ではオバマ前政権での弁護士出身のジョン・ルース氏があてはまる。大統領選で陣営に参画し、資金集めなどで貢献した論功行賞の側面もある。前任大使のウィリアム・ハガティ氏もこれに近い。ただ、ワインスタイン氏はいずれの分類にも属さず、「トランプ氏との関係も強くはない」(米政府関係者)とされる。

日本政府には、駐日大使にはかねて大統領との関係の近さを期待する向きが強かった。トランプ氏の関心が強い日米通商協議に加え、北朝鮮の脅威や在日米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の移設問題など日米間の懸案は山積みだ。ワインスタイン氏が就任に必要となる上院の承認公聴会で、こうした難題にどんな見解を示すのかが焦点になる。

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