関電の便宜供与認定、第三者委 元助役から3.6億円

2020/3/14 13:43 (2020/3/14 22:10更新)
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調査報告書を公表し記者会見する第三者委の但木委員長(中)ら(14日、大阪市福島区)

調査報告書を公表し記者会見する第三者委の但木委員長(中)ら(14日、大阪市福島区)

関西電力の金品受領問題を再調査していた第三者委員会(委員長=但木敬一元検事総長)は14日、最終報告書を公表した。福井県高浜町の元助役(死去)らからの金品受領者は75人、総額は約3億6千万円相当に上った。金品提供は、元助役の関係する企業に関電側の工事を発注させる目的だったと認定。内向きな企業体質の下、ガバナンス(企業統治)が機能しなかったと批判した。

記者会見した但木委員長は「元助役が発注を要求し、それに応じて受注させており、便宜供与にあたるのは間違いない」と述べた。関電幹部らの刑事責任を追及するのは困難との見解も示した。

調査報告を受け、関電は同日、岩根茂樹社長(66)の後任に森本孝副社長(64)が昇格する人事を決めた。企画部門の経験が豊富な森本副社長に、信頼回復に向けたかじ取りを託す。

報告書によると、元助役の森山栄治氏(死去)からの金品提供は、助役を退任した直後の1987年から始まり、2010年代まで満遍なく認められた。受領者の内訳は関電のほか、関電プラント、関電不動産開発などで、原子力部門の重要な役職員が中心だった。

報告書は、元助役が相談役などを務める企業への発注を強引に要求し、関電側が発注を行っていたケースが多数確認されたと指摘。特に10年代を中心に、関電の役職員らは380件以上の個別工事について、森山氏に事前に発注の約束をするなどの特別な配慮をしてきたと認定した。

その上で、金品提供は、元助役自身の関係企業から、報酬や手数料など経済的な利益を得るという構図を維持するのが目的だったと指摘。関電が30年以上、原発立地自治体の元助役と不適切・不透明な関係を続けてきたとし、異常な関係の継続は、コンプライアンス違反と結論づけた。

但木委員長は14日、大阪市内で記者会見し「ユーザー目線によるコンプライアンスが全くなく、経営陣がガバナンスの問題として正面から捉えて解決する姿勢が欠けていた」と批判。再発防止策として会長職への外部人材の起用などを提言した。

関電が18年にまとめた社内調査報告書では、役員ら23人が06~18年に計約3億2千万円相当の金品を受領。現金や商品券のほか、金貨や高級スーツの仕立券なども含まれていた。

第三者委は19年10月に委員と特別顧問の弁護士4人を中心に発足。200人以上から聞き取り調査し、原子力事業本部の社員ら約600人から書面で回答を得た。

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