公営住宅、保証人不要2割 高齢者行き場失う恐れ

2020/3/14 11:51
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身寄りのない高齢者らの公営住宅入居を妨げる「連帯保証人規定」に関し、国の削除要請にもかかわらず、保証人を不要とする自治体は2割以下(昨年12月時点)であることが13日、国土交通省の調査で分かった。

同省は4月の民法改正で、保証人が責任を負う上限額の明示が義務化され、確保がより困難になるとみており、対応が遅れれば、高齢化進行で行き場を失う人が増える恐れがある。

国交省は、保証人が支払うべき額が示されるようになると引き受け手が減るとして、2018年3月の通知で規定削除を促した。

しかし、今回の調査では保証人や、法人などの機関保証を求める自治体は4割を超えることも明らかになり、足踏みしている実態が浮き彫りになった。国交省は背景に家賃滞納や緊急連絡先の把握といった課題があると分析している。

調査は公営住宅を管理する都道府県や市区町村全1674自治体が対象。保証人規定を「削除する、削除予定」と答え、保証人を不要とするのは、通知前から要件としていなかった6を含め278だった。反対に「維持する、維持予定」は431。これとは別に「機関保証も認める」が254、「機関保証だけ認める」が4あった。小規模な自治体を中心に「未定」が707だった。内訳は明らかにしていない。

公営住宅の家賃は周辺の民間賃貸住宅より安く、住まい確保に困窮する低所得者や外国人の受け皿にもなっている。国交省は18年の通知に合わせて保証人規定を削除した条例案を示し、削除しない場合も、低所得者らの保証人を免除するといった配慮も要請した。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、世帯主が65歳以上の高齢者世帯は40年に2200万世帯を超え、うち独居が占める割合は全都道府県で30%を超える。国は民間賃貸住宅に関しても、高齢者らの入居を拒まない物件を公表する制度を17年に始め、20年度末に17万5千戸を目標にしたが、現時点で約2万5千戸にとどまる。

〔共同〕

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