電事連会長に九州電力の池辺社長「内憂外患」の船出

2020/3/13 21:00
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九州電力の池辺和弘社長が13日、電気事業連合会会長に選ばれた。14日付で就任する。九電社長として川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の長期停止による業績悪化懸念に対応しつつ、電事連会長として金品不正受領問題で揺らぐ業界の信頼回復や、電力システム改革などにどう取り組むのか。高い統率力と成果が問われる。

電事連会長に14日付で就く九州電力の池辺社長(右)と勝野前会長(13日、東京・千代田)

「課題が山積する中で、責任の重さに身の引き締まる思い。電力各社の社長と力を合わせて取り組んでいく」。13日、都内で会見した池辺社長はこう抱負を述べた。

現会長の勝野哲氏(中部電力社長)は「池辺社長は電気事業に精通し、知見も極めて豊富。満場一致で選出された。しっかり引っ張っていってくれると思っている」と期待を込めた。

東京電力ホールディングス関西電力、中部電力以外からの電事連会長就任は初めて。池辺社長は「あまり意識していない。電事連には各社からの優秀な人材がいる。今までと変わらず協力して仕事を進めていければ」と平常心で臨む考えを示した。

ただ出身母体の九電の経営環境は厳しい。テロ対策施設の建設の遅れが響き、16日から川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)、5月から2号機が長期間停止する。新型コロナウイルスの感染拡大で、工場などを持つ製造業を中心に電力需要が細っているもようで、先行きの不透明感は増している。1月に起きた料金算定のシステム障害がいまだに復旧せず、電気料金の請求の遅れなど影響は広がっている。

池辺社長は「現場にいなくてもテレビ会議や電話がある。マイナスがあるとは思っていない」と話すが、電事連会長を兼ねることで、九電の経営に使える時間や労力は限られてくる。池辺氏の電事連会長としての活動を支えるため、専任スタッフの配置や東京支社の機能拡充など、会社の負担も大幅に増えそうだ。

電力業界は関西電力の金品受領問題や福島原発事故で失墜した原発の信頼性について、厳しい世論にさらされている。自社の経営再建と、電力業界が直面する重い課題という「内憂外患」のなか、リーダーシップが求められている。(山田和馬)

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