仏統一地方選、年金改革焦点に マクロン与党に逆風
新型コロナで投票率低下なら極右に勢いも

2020/3/13 19:27
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【パリ=白石透冴】フランス統一地方選が15日と22日に実施される。地方選ながらマクロン仏大統領が主導する年金改革が最大の焦点だ。マクロン氏はパリなど主要都市で勝ち、内政の安定や欧州連合(EU)の求心力維持につなげたい考えだ。だが、年金改革への反発で政権支持率は2~3割台と低迷しており、与党「共和国前進」は苦戦を強いられている。

マクロン大統領の支持率は年金改革で低迷している=ロイター

「有権者が投票所に行くのに、何の障害もない」。マクロン氏は12日、新型コロナウイルスの感染者が2800人を超え拡大は続いているものの、選挙を予定通り実施する考えを強調した。

選挙では、市町村にあたる約3万5千の自治体の地方議員約50万人を選ぶ。任期は6年。原則、拘束名簿式比例代表制をとり15日の第1回投票で候補を絞る。22日の第2回投票で当選した議員のうち通常第1党から首長が選ばれる。共和国前進は新しい政党のため初めて統一地方選に臨む。地方基盤を持たず、大都市を中心に候補者約1万人を立てている。

国政に直接の影響は少ないがマクロン氏は選挙結果を追い風に、2022年の次期大統領選まで、財政再建、温暖化対策などの改革を進めたい考えだ。オランド前大統領、サルコジ元大統領は地方選でつまずき、勢いをそがれた歴史がある。

自治体ごとに失業率、大気汚染対策など争点はバラバラだが、共通して関心が高いのが年金改革だ。政府は42種類ある年金制度を一本化する改革案を2月に国民議会(下院)に提出。野党が4万を超える修正案を出して対抗したことから3月、決議なしに下院を通すという強硬手段を使い、法案を上院に送った。

憲法が認めた手続きだが仏調査会社が5日発表した世論調査によると、強硬手段は認められないと考える有権者が7割に上った。選挙で与党に逆風に働くとみられる。

マクロン氏は、注目選挙区で首長を取ることで勝利を宣言したい考え。それだけに落とせないのが首都パリだが、当初の候補が性的なビデオの流出で出馬を辞退した。代わってビュザン前保健相が急きょ立候補するドタバタ劇があり、世論調査では支持率が3位にとどまっている。

もう一つの懸念がルペン党首率いる極右政党「国民連合」の勢力拡大だ。現在約10の都市で首長を取っているが、仏メディアによると、実際には失業率が高い北部と南部で20都市程度に倍増するとの見方がある。

新型コロナの感染拡大も不確定要因となっている。新型コロナの感染を恐れる高齢者の棄権で投票率が下がれば、若者の支持者が相対的に多い極右国民連合が勢いづく可能性がある。

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