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オフィスなし、全員リモートワーク K.S.ロジャース

はたらく

2匹の猫と共に札幌市の自宅で働く社員の藤本さん

システム開発を手掛けるK.S.ロジャースには「出社」という概念がない。便宜上、民輪一博社長(29)の出身地である神戸市に本社登記しているが、従業員70人が全員リモートワークで、就業のコアタイムがない24時間フルフレックスで働く。採用から人事・労務まで全てリモートで実施。副業OKで、自由な働き方を求める優秀なエンジニアが集まる。

IT(情報技術)スタートアップの最高技術責任者(CTO)を務めていた民輪社長が、「自分は夜型生活で、サラリーマンをしたくない」と2017年に立ち上げた。エンジニアが力を発揮できるような働き方を打ち出し、19年にはわずかな採用費で約700件の応募があり35人を採用できたという。「創業時から採用で困ったことは一度もない」と話す。

IT人材は東京に集中しているが、実は東京では働きたくないという人も多い。同社の従業員は全国、海外に散らばる。その1人、札幌市在住の藤本琢真さん(26)は同市内の会社を辞めて正社員としてロジャースに入った。働く場所は2匹の猫を飼う自宅や、気分転換に訪れる旅行先だ。最大の魅力は地方にいながら最新の技術開発の経験ができることだという。「東京に住まなくてもスキルアップできる環境が整っている」(藤本さん)

仕事は成果主義。勤務時間は日報で自己申告してもらい、会社もパソコンの利用ログで勤務状況を確認する。各プロジェクトごとに担当マネジャーを置き、ネット上で進捗状況など必要な情報を共有。対面会議はしない。採用も対面ではなくビデオ通話が基本で、民輪社長は「従業員の6割以上と会ったことがない」と笑う。

政府機関のシステム開発や大手企業の画像認識サービスの開発などを手掛け、口コミで仕事が増えていった。20年10月期の売上高は5億円弱を見込む。オークションサイト情報を提供するオークファンの上垣将人執行役員は「システム開発の完成度が担保されている」と評価する。

オフィスを構えないことは固定費の削減にもつながる。今後は社員を増やして事業拡大を図る。新型コロナウイルスの感染拡大もあって働き方改革への関心が高まっており、7月にも企業向けにリモートワークの運営ノウハウの提供を始める計画だ。

(沖永翔也)

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