駐イラク米軍攻撃、「親イラン組織の犯行」 米国防長官
【ワシントン=中村亮】エスパー米国防長官は12日、国防総省で記者団に対し、米軍が駐留するイラクの基地が11日にロケット弾による攻撃を受けたことについて、イランの支援を受ける武装勢力の犯行との見方を示した。米メディアが報じた。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は「あらゆる選択肢を検討しており、大統領の決断を待っている」と語り、報復措置を講じる考えを表明した。

トランプ大統領も12日、ホワイトハウスで記者団に対し「反逆者による犯行だ。イランの支援を受けている可能性が高い」と主張した。「我々の対応がどのようなものになるか見てみよう」と語り、政権内で検討を進める立場を示した。
イラクなどで過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討作戦を進める米軍主導の有志連合によると、現地時間の11日夜にイラクの首都バグダッド北方に位置するタージの米軍駐留基地に15発以上のロケット弾が撃ち込まれた。3人の死亡が確認され、そのうち2人が米国人とされる。イランとつながりのあるイラクのシーア派武装勢力の犯行が指摘されてきた。
トランプ政権は2019年12月、イランの支援を受けるとされるイラクの武装勢力の攻撃で米軍に死傷者が出たことを受け、同勢力に空爆を実施。米・イランの対立が強まり、米国はイランの司令官を殺害し、イランはイラクの米軍駐留基地を弾道ミサイルで攻撃する事態に発展した。
今回も米国人の死亡が事実であれば、米政権が前回と同じようにイランに対する大規模な報復措置に踏み切る可能性もある。