東建コーポ、社宅事業拡大 個人向け不振補う

2020/3/13 6:00
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東建コーポレーションが社宅建設事業を拡大する。人手不足が深刻化するなか、社宅を持つことで人材確保につなげたい中小製造業など企業の需要を取り込む。全国の支店や各部署の持つ顧客情報をいかし、企業や土地所有者のニーズに柔軟に対応できるのが強みだ。スルガ銀行の不正融資問題などで冷え込む個人向け投資物件の需要を補うため、社宅建設事業を新たな収益源に育てる。

東建コーポレーションが東京都内に建設した社宅

東建コーポはこのほど、企業や土地所有者向けに社宅の営業を手掛ける「法人営業部」を新設した。企業から希望する社宅の立地や入居人数を聞き取り、適合する土地の所有者に集合住宅の建設を提案。同社が物件を建設・管理して企業に貸し出す。

同社は仲介事業で約5千社と取引している。契約企業のなかには社宅として1棟まとめて借りたいという需要があるとみている。IT(情報技術)ツールの拡充などを通して、全国約150の支店や各部門どうしの情報共有を強化。土地の情報などをもとに、企業に社宅を提案する。

首都圏を中心に企業が社宅を充実させる傾向が続いている。最近は人手不足の深刻化から、中小製造業などで人材確保目的の福利厚生として社宅を拡充する企業が増えている。既存の社宅が老朽化して建て替えの機をうかがう企業も多い。製造業や公的機関向けの需要は高いとみている。

所有者にとって社宅は個人物件より1戸あたりの家賃は低いが、完成後すぐ入居者が確保できるので、安定的な収益が得られる。企業側には初期負担や、管理などの手間がない手軽さというメリットがある。5年後をめどに社宅事業の売上高を年約45億円にする考えだ。

東建コーポは管理物件などを紹介する不動産仲介事業と、マンションなどの建設事業が柱だ。仲介事業が好調な一方で、19年5月~20年1月期の建設部門の総受注高は971億円と前年同期比2割減。これまでは個人向け賃貸マンションの施工が多かったが、今後は法人向けを増やしていく。

スルガ銀行の不正融資問題などを受け、金融機関が賃貸マンション向けの融資を厳格化。投資用住宅市場が縮小している。6日には不当な勧誘の禁止や契約時に書面での説明を義務付ける法案が閣議決定されるなど規制も強化されている。

こうした動きは悪徳業者の排除などが狙いだが「業界全体のイメージが悪化している」(左右田稔社長)。賃貸住宅の不振は長期化の様相を見せている。新たな需要開拓で収益力の強化を図る。(植田寛之)

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