国側に19億円賠償命令 小松基地訴訟で金沢地裁

2020/3/12 18:32
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航空自衛隊小松基地(石川県小松市)の周辺住民ら2166人が、米軍機と自衛隊機の一部時間帯の飛行差し止めと騒音被害の損害賠償などを国に求めた「第5、6次小松基地騒音訴訟」の判決で、金沢地裁(加島滋人裁判長)は12日、結審時までの過去分の賠償として、国側に約19億2千万円の支払いを命じた。飛行差し止めと将来分の賠償については退けた。同種訴訟の判例を踏襲する形となった。

小松基地騒音訴訟の判決後、金沢地裁前で垂れ幕を掲げる原告側関係者(12日午後)=共同

飛行騒音に対する住民の受忍限度や、騒音と住民の健康被害の因果関係などが争点だった。

加島裁判長は判決理由で「航空機騒音により住民は睡眠など日常生活が妨害され、精神的被害を受けている」と指摘。原告の大半は騒音レベルの指標「うるささ指数(W値)」が75以上の区域に住み「騒音は社会生活上、受忍すべき限度を超えている」とした。一方で「騒音によって健康被害が生じているものとは認められない」と述べ、精神疾患や難聴などと騒音の因果関係を否定した。

自衛隊機の差し止め請求については「防衛大臣による公権力の行使の取り消し変更になり、民事上の訴えとして不適法」として却下。米軍機は「国の支配の及ばない第三者の行為の差し止め請求で、理由がない」として棄却した。

訴状によると、住民らは、年間180~240日の訓練などによる飛行騒音で、身体的被害や日常生活の妨害などを受けているとしている。自衛隊と在日米軍の違憲性も主張していた。

原告側は、正午~午後2時と午後6時~翌日午前7時の飛行差し止めや、過去分の損害賠償として約160億円、飛行が差し止められるまでの将来分として1人当たり毎月5万円を求めていた。

1~4次訴訟ではいずれも過去分の損害賠償のみを認める判決が確定。5、6次訴訟は2008~09年に提訴、昨年6月に結審した。〔共同〕

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