ビュッフェ提供に苦悩 金沢のホテル、新型コロナで

2020/3/12 18:16
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金沢彩の庭ホテルは朝食のビュッフェを維持しつつ、定食形式でも提供できるようにした(金沢市)

金沢彩の庭ホテルは朝食のビュッフェを維持しつつ、定食形式でも提供できるようにした(金沢市)

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、金沢市内のホテルがビュッフェでの食事提供に頭を悩ませている。一部の時間帯にビュッフェ形式のレストランを閉業したり、顧客の要望があった場合に配膳形式で提供するなどの対応を始めた。市内には全国的に評判の高い朝食ビュッフェを売りにするホテルが多く、顧客への不安の広がりは集客の打撃となっている。

ホテル日航金沢は19日まで、ビュッフェ形式のレストランで昼食と夕食の営業を停止している。朝食は一部を小鉢に入れて提供するものの、ビュッフェでの営業を続けており、トングの交換回数を増やすなどの対策をとっている。

同ホテルの担当者は「ビュッフェが好評で、それを目当てにして宿泊する人も多い。そこへの逆風は痛い」と語る。ランチなどを予約していた宿泊客には、改装したばかりの日本料理店など館内の別のレストランを紹介して対応しているという。

三井ガーデンホテル金沢はホテル内レストランでビュッフェ形式での飲食物の提供を中止した。大浴場やフィットネスジムの利用も停止している。

金沢彩の庭ホテルは、朝食のビュッフェを維持しつつ、不安を訴える顧客には定食形式でも提供できるようにした。宿泊客の予約時やチェックイン時に朝食をビュッフェ形式で提供する旨を説明したうえで、要望のあった顧客向けに各テーブルに配膳する定食形式で朝食を出す。トングの交換回数を1回から2~3回に増やしたほか、消毒液も会場の入り口に設置し始めた。

ただ、本郷一郎支配人は「4日から始めたが、実際に定食形式を選んだ人は1組しかいない。朝食ビュッフェはホテルの大きな売りなので、明確な禁止令が出るまではやめない」と語る。

同ホテルでは、石川県内の学校が休校となっていることから、県内居住者で高校生以下の子供連れ家族を対象に、1人あたり1泊5000円の宿泊プランの販売を始めた。通常は1万4000円前後のため、6割以上安く泊まれる計算だ。他地域からの宿泊客が減少する中、県内の顧客に客室や朝食をPRする機会ととらえている。

旅行口コミサイト大手のトリップアドバイザーが2018年に発表した国内ホテルが対象の「旅好きが選ぶ!朝食のおいしいホテルランキング2018」では、ホテル日航金沢が2位、金沢彩の庭ホテルが5位に入った。19年の同調査では順位を落としたものの、いずれも高い人気を維持している。観光客が減少する中で、朝食提供の安全性と満足感を両立するための工夫が問われている。

(毛芝雄己)

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