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米イラン関係、再び緊張 イラクで米国人2人死亡 米軍基地に攻撃

【カイロ=飛田雅則】米国とイランの緊張が再び高まってきた。イラクの首都バグダッド北方のタージで米軍などが駐留する基地に11日、多数のロケット弾が撃ち込まれた。ロイター通信などによると、少なくとも米国人2人と英国人1人が死亡した。親イランのイスラム教シーア派武装勢力の犯行の可能性がある。

米国が主導しイラクに駐留する有志連合はロケット弾の基地への着弾と、3人が死亡したことを認めたが、国籍など詳細は明らかにしていない。「イラク軍と共同で調査を進めている」と指摘した。イラク軍は基地の近くで、ロケット弾を積んだトラックを発見した。

ジョンソン英首相は12日「英兵が死亡したとわかり、深い悲しみにある」との声明を発表した。米国務省は「ポンペオ米国務長官とラーブ英外相は、攻撃を実行した者は責任を負う必要があると強調した」と表明した。

過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を進めるイラク軍を支援するため、約5000人の米軍が駐留している。タージ基地はその拠点だ。9日には作戦中の米兵2人がイラク中央の山岳地帯で、ISの攻撃を受けて死亡した。英国は米国の作戦を支援するため、部隊をイラクなど中東地域に派遣している。

イラクでは1月上旬、米軍がイラン革命防衛隊の精鋭部隊のソレイマニ司令官と親イランのイスラム教シーア派民兵組織の幹部を殺害しており、親イラン勢力が報復を宣言していた。タージ基地には1月にもロケット弾による攻撃があったが、死傷者はなかった。

トランプ米大統領は米国人がイランや親イラン勢力によって殺害された場合、イランに対して軍事行動に出ると警告してきた。11日の攻撃の背後にイランがいて、米国人が死亡したと正式に確認されれば、両国の対立が一段と深まりかねない。

シーア派法学者が主導するイランはIS掃討作戦の支援を口実に、同派の住民が多数を占める隣国イラクに介入した。親イランの民兵組織を設立し、支持する議員を国会に送り込むなど政治、経済、軍事などに影響を及ぼしてきた。イランや傘下の勢力は、敵対する駐留米軍のイラクからの排除を目標にしている。

在英のシリア人権監視団によると11日、イラク国境に近いシリア東部で所属不明の複数の戦闘機による空爆があり、シーア派民兵が多数死亡した。イランと敵対するイスラエルがこの付近を空爆してきた経緯はあるが、11日の件は、米軍による報復攻撃の可能性が取り沙汰されている。

2019年12月にはイラク北部への攻撃で複数の米国人が死傷し、米軍が親イランの民兵組織の拠点を空爆した。1月3日にはソレイマニ氏をイラクで殺害。イランは同月8日、この報復として弾道ミサイルでアサド空軍基地を含むイラク駐留米軍の複数の拠点を攻撃したが、トランプ氏は「この攻撃で米側に死者がいなかった」と述べ、イランへの報復を控えた。

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