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津波避難訴訟が和解 宮城・閖上、15件終結

(更新)

東日本大震災の際、宮城県名取市閖上地区にいた生後8カ月の長男ら家族4人が津波から逃げ遅れ犠牲になったのは、防災行政無線の故障が原因などとして、遺族が市に約6800万円の損害賠償を求めた訴訟は12日、仙台高裁(山本剛史裁判長)で和解した。震災の津波を巡り、岩手、宮城両県で起こされた少なくとも15件の訴訟はこれで終結する。

和解条項は(1)無線が故障し避難指示を伝えられなかったことについて、市が犠牲者や遺族に深く遺憾の意を表す(2)市は防災体制の不備を指摘した第三者委員会の報告書を真摯に受け止める(3)市は地域防災計画の充実、震災の風化防止に取り組むことを約束する――などの内容。和解金の支払いはない。

遺族らは「失われた命は帰ってこない。しかし、市が和解に基づき、適切な防災対策を取ることが、命を失った多くの人々への鎮魂になると信じている」とする声明を発表。仙台市で記者会見した40代の母親は「和解の受け入れは苦渋の決断だった。名取市は多数の犠牲者を出した事実を背負い続けてほしい」と話した。

名取市の山田司郎市長は市役所で取材に応じ「亡くなった人の無念を胸に刻み、安心安全な町づくりを進める」と述べた。

2018年3月の一審・仙台地裁判決などによると、地震直後、市は無線で避難を呼び掛けたが、故障で伝わらず、広報車による避難指示もなかった。原告の夫婦は長男を両親に預けており、祖母を含め4人が犠牲となった。

遺族は14年9月に提訴。一審判決は「無線が聞こえたとしても津波から逃げ切れたとはいえない」として請求を棄却した。遺族側が控訴。仙台高裁が和解を勧告していた。〔共同〕

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