新型コロナ、パンデミック表明 WHO会見要旨
【パリ=白石透冴】世界保健機関(WHO)は11日、新型コロナウイルスの感染拡大について「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」と表明した。記者会見でのテドロス事務局長らの説明は以下の通り。
テドロス氏 過去2週間で中国の外での感染者数は13倍に、感染者が見つかった国は3倍に増えた。4291人が命を落とした。数字は数週間でさらに増えるとみられる。この理由で新型コロナをパンデミックにあると判断した。
だからといって、脅威に対するWHOの見方や方策が変わるわけではなく、各国が取るべき対策が変わるわけではない。
ただ、このパンデミックは制御可能だ。中国や韓国では新規の感染を急速に減らすことができている。全ての国が感染拡大の規模を変えることができ、各国の意志にかかっている。
緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏 休校や移動制限などは各国が判断する性質のものだ。我々がルールを持っている訳ではない。
イランでは医療関連の換気用機器、酸素などが不足している。イタリアも含め、医療従事者が疲弊している。ただはっきりと言えるのは、他の国々も同じ状況にすぐ陥るということだ。
スペイン、フランス、ノルウェーなど欧州で感染者が急に増えている。対策が十分に機能しているか見直してほしい。
テドロス氏 封じ込め策をやめて拡大の緩和に移行すべきだとは言っていない。総合的な対策が必要で、封じ込めがその中心であるべきだ。
マリア・バンケルコーフ博士 いくつかの国が新しい感染を減らし、制御する方向に向かっている。韓国がいい例だが、感染源の特定など基本的な対策を厳格に実施している。特別な対策があるわけではない。
ライアン氏 感染のテストを実施する条件として、完全に症状が出ている、一定の年齢に達している、中国への渡航歴があるなどを条件として設けている国がある。現状に合わせた適切な対応とは言えない。
院内感染への対策が十分でない国もある。感染源の特定を簡単に諦めてしまう国もある。市民への情報発信がまずく、混乱を引き起こしている例もみられる。
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